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看護師の身だしなみはなぜ大切?部位別のポイントやチェックリストを紹介

看護師 身だしなみ

看護師は患者さんや医師、看護師同士など、仕事を通じてさまざまな人と関わります。

そのため、周囲の人に好印象を持ってもらうために、看護に関する知識やスキルだけでなく、身だしなみにも気を配ることが大切です。

とはいえ、なぜ看護師に見だしなみが求められるのか、どのようなポイントに気を付けるべきかなど、わからないことも多いでしょう。

そこで今回は、看護師の身だしなみが大切な理由や化粧の濃さによって相手に与える印象がどのように変わるのか、身だしなみで気を付けるポイントなどを解説します。ぜひ最後までご覧ください。

1.看護師の身だしなみが大切な理由

看護師として働くうえで、「看護に関する知識やスキルを身に着けていれば、身だしなみはそれほど気を遣う必要がないのでは?」と感じている方もいるでしょう。

しかし、看護師は看護スキルだけでなく、関わる人から信頼を得たり、好印象を持たれやすくしたりするために、身だしなみをはじめとする接遇スキルも重要になる仕事です。

・接客:お客様(患者さん)と接すること。
・接遇:お客様(患者さん)を理解し、適切に迎える応対。おもてなしやサービス精神といった側面が強い。

看護師は、身だしなみや言葉遣い、相手への丁寧な対応などから接遇スキルを高めることで、患者さんや医師、同僚、先輩などと円滑なコミュニケーションがとりやすくなります。

医療現場ではコミュニケーションが必要とされる場面も多く、結果的に周囲の人から信頼や好印象を持たれやすくなるのです。

さらに、医療従事者として清潔で安全な医療現場を築く、病院全体のイメージ向上につながるといった点からも、身だしなみに気を遣うことは大切です。

2.看護師に求められる身だしなみの三原則

看護師はなぜ身だしなみに気を遣う必要があるのか、について理解をしたうえで、基本の要素として「身だしなみの三原則」について見ていきましょう。

2-1.清潔感

看護師に求められる身だしなみとして、清潔感は欠かせないポイントの一つです。

清潔感のある身だしなみができていると、年代や性別を問わず好印象を持たれやすくなります。

とくに医療現場では、衛生的であることが求められるため、衣服にシワやシミ・汚れがないか、爪はきれいに整えられているか、髪や髭が整えられているかなどに注意しましょう。

2-2.機能性

看護師の身だしなみにおいて、機能性も意識すべきポイントです。

医療現場では、テキパキと動いてスムーズにさまざまな業務をこなしていくことが求められます。どんなに清潔感のある見た目でも、動きにくそうにしていては周囲の人に不快感を与えかねません。

そこで、清潔感のある見た目でありながら、常に俊敏に動ける服装や靴、ヘアスタイルなどを選択するようにしてください。

2-3.協調性

三原則の最後のポイントは協調性です。

協調性のあるTPOに見合った身だしなみにすることは、看護師として働くうえで重要な要素です。

  • Time(時間)
  • Place(場所)
  • Opportunity(場合)

TPOは上のとおり、「時間と場所、場合に適した身なり」を意味する用語であり、TPOを意識することで、看護師に適した身だしなみになります。

たとえば、アパレル店員の場合、身だしなみを意識してネイルをするケースが多いでしょう。

一方で看護師は、身体のどこかに疾患や痛みといった問題を抱えて来院する患者さんと接する機会が多い職種です。TPOを考慮すると、相手の肌や患部を傷つける可能性のあるネイルをするのは適した身だしなみとは言えません。

このように、TPOによって適した身だしなみが変わります。看護師のTPOを意識すると協調性が高く現場にあった身だしなみを整えやすくなります。

3.看護師の化粧が相手に与える印象

看護師の身だしなみを考えるうえで、メイクについて疑問を持つ方も多いでしょう。

清潔感や機能性、協調性が大切であるとはいえ

「薄い化粧だとやる気がないように見えそう……」

「しっかり化粧をするのは看護師の身だしなみとして適さないのかな?」

などの疑問があるのではないでしょうか。

ここでは、看護師の化粧が周囲の人にどのような印象を与えるのか、を荻あや子著「患者や家族と看護師の化粧に対する認識の比較に関する研究」の調査結果をもとに解説します。

3-1.濃い・派手な化粧が与える印象

まず、看護師、患者、家族に対して看護師の化粧の必要性について調査したところ、以下のような結果となっています。

看護師は化粧をした方がよいと回答した割合

  • 看護師:61.0%
  • 患者:53.8%
  • 家族:64.7%

つまり、半数以上の人が看護師は化粧をした方がよいと回答していることがわかります。

しかし、化粧が「濃い・派手」だと感じる看護師への印象は、看護師、患者、家族ともに「話しかけにくい」「近づきにくい」「怖い」「安心・信頼できない」といった回答が上位を占めており、好印象を持たない方が多い結果となっています。

3-2.薄い・地味な化粧が与える印象

看護師の化粧が「薄い・地味」だと感じる場合の印象を調査したところ、看護師、患者、家族ともに「話しかけやすい」「清潔」「安心・信頼できる」「優しそう」といった回答が上位を占めています。

つまり、看護師の見だしなみにおいて、濃い・派手な印象を与える化粧よりも、薄い・地味な印象のある化粧の方が、周囲の人に好印象を持たれやすいのです。

ただし、ノーメイクがよいと回答したのは全体で5名と1割以下の結果となったため、ノーメイクは身だしなみとして適さないといえます。

濃い・派手な印象を与える化粧やノーメイクは避け、薄い・地味だと感じられるようなナチュラルメイクを意識することが看護師の身だしなみに適した化粧だといえるしょう。

参考:荻あや子「患者や家族と看護師の化粧に対する認識の比較に関する研究」 コスメトロジー研究報告.2017,25,130-137

4.看護師が気を付けたい身だしなみのポイント

看護師が気を付けるべき身だしなみのポイントは、服装やメイクのほか、ヘアスタイルや爪・ネイル、アクセサリー・装飾品などさまざまです。

ここでは、部位ごとに看護師として押さえておくべき身だしなみのポイントを解説します。

4-1.メイク

先に解説したとおり、看護師はナチュラルメイクが最も好印象を与えやすいといえます。

顔色がよく、ほどよい血色感があるメイクを心がけましょう。マスカラやチーク、リップなどのポイントメイクを濃くし過ぎると清潔感が失われやすいため、薄付きな印象となるよう意識してください。

また、夜勤など勤務時間が長い場合、メイクが濃すぎると崩れてきて印象が悪くなったり、肌荒れの原因になったりすることからも、ナチュラルメイクがおすすめです。

4-2.ヘアスタイル

ヘアスタイルは、看護師の身だしなみの印象を左右する重要なポイントです。看護師のヘアスタイルで意識したいポイントは以下のとおりです。

【ヘアカラー】

  • カラーチャート7~8番前後の落ち着いたトーン

【ヘアスタイル】

  • 目元や耳元が見える髪型にする
  • 寝癖がなく整えられている
  • 髪が肩にかかるときは束ねる
  • ロングヘアはお団子にしてまとめる
  • 動いたときに顔に髪がかからないようヘアピンで留めておく

【勤務中の髪型は?】

  • お団子:38.5%
  • 短いのでそのまま:31.5%
  • ポニーテール:17.3%
  • クリップで留めるだけ:6.5%
  • 頑張ってアレンジしている:1.2%
  • その他:4.6%

参考:カンゴトーク「勤務時の髪型どうしていますか?」(株式会社メドレー調べ)

【髪は染めている?】

  • 染めている:68.1%
  • 染めていたことがある:15.2%
  • 染めたことがない:13.7%
  • これから染めたい:1.8%
  • その他:1%

ヘアカラーについては、7割近くの看護師が染めている結果となりました。

また、清潔な印象となるよう、髪の長さに合わせてお団子やポニーテールにしたり、クリップを使って止めたりするのは基本であることがわかります。

参考:カンゴトーク「髪の毛は染めていますか…?」(株式会社メドレー調べ)

4-3.爪・ネイル

患者さんに直接触れる機会の多い看護師は、手元を常に清潔にしておかなければなりません。

長い爪や装飾の多いネイルは不潔な印象を与えやすく、雑菌が溜まりやすいため、爪の長さは手の平から見たときに見えない程度に切っておきましょう。

また、ネイルは基本的にNGとしている医療機関が多いですが、クリアやベージュなどのマニキュアはOKとしているところもあります。

4-4.服装

看護師の服装における身だしなみは、汚れやシワがないこと、スカートを短くしすぎないことなどを意識しましょう。

また、下着が透けていないかも注意すべきポイントです。

白衣は白いものが多く、気を付けているつもりでも下着が透けてしまっていることがあります。透けにくいベージュの下着を着用してください。

また、靴下やカーディガンなどは黒や白、ネイビーなどベーシックで目立たない色を選ぶとよいでしょう。

4-5.アクセサリー・装飾品

看護師の身だしなみとして、アクセサリー・装飾品を身に着けるのは基本的にNGとなります。

患者さんに触れる機会が多いことから怪我をさせてしまったり、誤飲させてしまったりする可能性があるほか、破損や紛失のリスクもあります。

ただし、結婚指輪のみ着用可としているところもあるため、医療機関ごとのルールを確認してください。

【勤務中にアクセサリーは着ける?】

  • そもそも着けていない:46.2%
  • 外している:35.8%
  • 着けたまま:13.5%
  • 指輪はネックレスにしている:1.3%
  • その他:3.1%

安全面や衛生面の観点から、アクセサリーや装飾品は着用していないことがほとんどであるとわかります。

参考:カンゴトーク「仕事中にアクセサリーは着けていますか」(株式会社メドレー調べ)

4-6.その他(香水・ひげなど)

基本的な身だしなみのほか、香水やひげなども意識することが大切です。

まず、基本的に香水は使用せず、無臭であることを心がけてください。患者さんのなかには、臭いで具合が悪くなる方も少なくありません。

香水だけでなく、ハンドクリームや化粧品なども香りが付いているものは使用を控えましょう。

また、男性看護師はひげを常に剃っておくのが基本です。

ひげは空気中の雑菌を溜め込みやすいため、不潔な菌を持ち込んでしまう可能性があるからです。また、ひげがあると清潔感のある印象を損ねやすいため、きちんとケアするようにしましょう。

口臭対策をしている?】

  • 歯磨きのみでとくに対策をしていない:67.7%
  • マウスウォッシュを使用している:14.5%
  • 舌ブラシでしっかりケアしている:7.8%
  • 口臭予防タブレットを噛んでいる:5.9%
  • その他:3.9%

歯磨き以外のケアをしている人は少数派であることがわかります。

勤務中は基本的にマスクをしていることから、特別な口臭ケアをする必要性を感じていない人が多いと考えられます。

しかし、しっかりとマウスウォッシュや舌ブラシ、口臭予防タブレットなどでケアしている人も一定数いるため、身だしなみの一環として取り入れることを検討してみてください。

参考:カンゴトーク「口臭対策ってしていますか?」(株式会社メドレー調べ)

5.【確認してみよう】身だしなみチェックリスト

最後に、これまでの内容を踏まえて、看護師の身だしなみをチェックリストにまとめました。出勤前の身だしなみチェックに活用してみてください。

部位チェック内容
メイクほどよい血色感のあるナチュラルメイクであるか
髭の剃り残しはないか
ヘアスタイル髪色は7トーン前後の自然な色であるか
前髪は目元にかからない、お辞儀をしても髪が顔にかからないか
髪留めやヘアピンは落ち着いた色・デザインであるか
長い髪はお団子などでまとめられているか
寝癖は残っていないか
清潔感のあるヘアスタイルであるか
爪・ネイル爪は手の平から見て見えない長さになっているか
ネイルをしていない状態か
服装汚れやシワ、ほつれがないか
カーディガンや靴下はベーシックな色・デザインであるか
清潔感があるか
下着は透けていないか
名札が定位置についているか
アクセサリー
装飾品
指輪、ネックレス、ピアス・イヤリングなどはつけていないか
医療機関のルールに従ってアクセサリーを付けているか
その他
(香水・ひげなど)
香水やハンドクリームなどで匂いを放つものを付けていないか
体臭ケア・口臭ケアを実施できているか

6.まとめ

今回は、看護師の身だしなみについて解説しました。

看護師は、医師や先輩、同僚をはじめ、患者さんやその家族などさまざま人と接する職業であることから、看護に関する知識やスキルに加えて、身だしなみが整えられているかも意識することが大切です。

看護師として身だしなみが整えられていると、コミュニケーション円滑になったり、好印象を持たれやすくなったりと、さまざまなプラスの効果が期待できます。

ぜひ今回の記事を参考に、看護師として適した身だしなみについて検討してみてください。


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