看護師のナース服に求められる条件は?モチベーションとの関連性についても解説
看護師のナース服といえば、ワンピース型の白衣というイメージが強いですが、近年ではパンツスタイルのナース服が主流となっています。
さらに、白だけでなく、ピンクや水色、ネイビーなどさまざまな色があり、デザインも多様化しています。
看護師のナース服のバリエーションが増えている背景には、求められる条件が増えていたり、ナース服が働くときのモチベーションに関係していたりするからです。
そこで今回は、看護師がナース服で重視するポイントや条件、最新のナース服情報などを解説していきます。
1.看護師のナース服は病院支給?個人購入?
看護師のナース服は、医療機関で統一されたものを着用しているイメージが強いでしょう。
ナース服は「病院支給」と「個人購入」の2つの入手方法があり、職場によって対応が異なります。
まずは、看護師のナース服の支給状況について見ていきましょう。
※この記事では、クラシコ株式会社の「ナース服と働くモチベーションに関する意識調査」をもとに看護師とナース服についてまとめていきます。
1-1.ナース服は病院支給が約8割
調査結果によると、ナース服は「病院支給」が約8割となっています。
病院からの支給がない場合は個人購入となりますが、ナース服にかかる購入費用を補助している病院もあります。
病院によって支給される枚数が異なるので注意が必要でぷ!
自身で持ち帰って洗濯しなければならない病院もあれば、病院でクリーニングに出す場合もあるでぷよ☆
1-2.病院支給のナース服に不満を持っているのは約4割
調査結果から、多くの看護師が病院支給のナース服を着用しているとわかります。
しかし、病院支給と回答した看護師の約4割が、「現在の勤務先施設で採用されているナース服に不満を感じたことがある」と回答しています。
ナース服は普段着とは異なり、医療現場で働くうえで必要な条件が複数あります。
看護師によってナース服に求める条件や優先順位が異なるため、病院から支給されるナース服に対して、不満を感じている看護師も多いのが現状です。
2.ナース服と働くモチベーションの関係性
病院支給のナース服に対して不満を感じている看護師が約4割となっていますが、ナース服は働くときのモチベーションと関係する重要な要素であることがわかっています。
2-1.ナース服のデザインと機能性の影響はどれくらいあるの?
調査によると、「デザイン性・機能性の高いナース服を着用できることは働くモチベーションに影響を与えるか」という質問に対する回答結果は以下のとおりです。
「とても思う」「思う」と回答した看護師の割合は約85%となっており、大多数がナース服は働くときのモチベーションに影響すると感じていることがわかります。
2-2.不満のあるナース服だとモチベーションは上がらない?
さらに、同調査の「不満を感じるナース服はモチベーションを落とす要因となるか」という質問に対する回答結果は以下のとおりです。
「とても思う」「思う」と回答した看護師の割合は81%となっており、ナース服に対して不満を感じると働くモチベーションが下がると感じている看護師が多いという結果になりました。
つまり、デザイン性・機能性の高いナース服は看護師が働くモチベーションを維持しやすくなる一方で、ナース服に対して不満があるとモチベーションが落ちやすくなるのです。
3.ナース服の変遷
ナース服に機能性やデザインが求められていることが分かりましたが、現在のナース服にこのような意見が取り入れられているのでしょうか。
ここでは、ナース服がへの考え方やスタイルがどのように変化してきたのかを見ていきましょう。
3-1.実用性の高いパンツスタイルが人気に
ナース服といえばワンピース型の白衣というイメージが強いですが、近年、男性看護師の増加などを理由に実用性の高いパンツスタイルが主流となっています。
「男女雇用機会均等法」が1985年に制定される前までは、「看護師=女性の職業」というイメージが強く、呼び方も「看護婦」が一般的でした。
しかし、男女雇用機会均等法が制定されたことにより、看護師は女性だけの職業ではないという認識が広まるとともに、男女の区別をなくすためにパンツスタイルのナース服を取り入れる医療機関が増えました。
パンツスタイルのナース服は、動きやすく機能性が高い、ストッキングを履く必要がないなど、ワンピース型の白衣よりも実用性が高いとして、一気に広まりました。
3-2.機能性はナースシューズにも求められている
パンツスタイルのナース服の普及に伴い、サンダルタイプやパンプスタイプからスニーカータイプのナースシューズに変化をしていきました。
スニーカータイプのシューズの場合、廊下を歩く音が気にならず、クッション性も高いため、長時間の立ち仕事でも疲れにくくなっています。
また、ナースサンダルはつま先が出ているので通気性は高いのですが、注射針や薬剤を誤って落とし、身体を傷つけてしまう可能性もあるため、禁止されている病院も増えています。
このようにナース服やナースシューズは、実用性や機能性、安全性を考慮し、変化し続けています。
4.ナース服の種類と特徴
ナース服は時代とともにスタイルが変化しており、現在ではさまざまなデザインや色のものがあります。
ここでは、ナース服の種類と特徴を解説します。
4-1.ワンピースタイプ
ナース服の代表的なスタイルであり、Aラインのスッキリとした見た目が特徴です。女性らしく上品な印象があります。
医療現場ではパンツスタイルが主流となっていますが、現在でも美容クリニックやエステサロンなどでは採用率の高い種類です。
4-2.ツーピースタイプ
上下に分かれたパンツスタイルのナース服をツーピースタイプと言います。
医療現場では主流のデザインとなっており、スッキリとしたシルエットで清潔感があることに加え、動きやすく実用性が高いことが魅力です。
4-3.スクラブ
スクラブは、近年人気が高まっている種類です。
「scrub」は「ごしごしと洗う」という意味がある通り、素材が丈夫で傷みにくい生地が採用されていることが特徴です。従来、スクラブは手術着として使われていましたが、実用性の高さからナース服としても取り入れられています。
ツーピースタイプとは異なり、襟がないためカジュアルな雰囲気になります。
4-4.ケーシー
立ち襟が付いており、肩でボタンを留めるデザインをしているのがケーシーです。
動きやすさが追求されたデザインであり、ナース服としてはもちろん、リハビリスタッフや医師にも人気があります。
5.看護師がナース服を選ぶときに重視するポイント
ナース服は看護師の働くモチベーションに影響する重要な要素ということがわかりました。
ですが、看護師がナース服を選ぶときに、どのようなポイントを重視しているのか見ていきましょう。
5-1.看護師が重要視する2つのポイント
調査によると、「ナース服を選ぶ際に、重視するポイントはなにか」という質問に対して、機能性と回答した割合が83%と最も多く、次いでデザインが78.4%、価格が14.8%という結果になりました。
つまり、看護師はナース服に対して、価格よりも機能性やデザインを重視しているとわかります。
下記で簡単にこの2つのポイントに求められていることを見ていきましょう。
機能性
ナース服は医療現場で着用するうえで、防汚性や抗菌性、防臭性、耐久性などさまざまな機能が求められます。
さらに、着心地や動きやすさ、ポケットの数、大きさ、生地が透けないか、衛生的に保つうえで洗いやすく傷みにくいかといった点も重要になります。
デザイン
近年、ナース服のデザインは多様化しており、代表的なワンピースタイプのものをはじめ、ツーピースタイプ、スクラブ、ケーシーなどの種類があります。
さらに、それぞれの種類に対して、細かなデザインや色が異なり、なかには有名ブランドとコラボしているナース服もあります。
モチベーションを高く維持しながら働くためにも、価格に関係なく、機能性やデザインを重視し、納得したものを着用したいというニーズが高いことがわかります。
6.魅力的なナース服に求められる具体的な条件
ナース服に機能性・デザイン性が求められることわかりましたが、具体的にどうような条件を満たしていれば魅力的だといえるのでしょうか。
ここでは、魅力的なナース服に求められる具体的な条件を見ていきましょう。
6-1.魅力的ナース服の条件トップ3とは?
調査によると、「魅力的なナース服の条件に当てはまるものはなにか」という質問に対する回答結果は以下のとおりです。
条件 | 割合 |
伸縮性が高く動きやすい | 78.0% |
素材が透けない | 67.7% |
着用したときのシルエットがきれい | 65.1% |
色・デザイン・柄が好み | 58.4% |
ポケットの数が多いなど便利な機能が多い | 56.0% |
素材の肌触りが心地よい | 52.6% |
吸湿性が高い | 37.0% |
抗菌性が高い | 33.7% |
見た目がおしゃれ | 30.7% |
有名なファッションプランドのナースウェア | 2.4% |
その他 | 0.7% |
医療現場では不特定多数の人と接するため、見た目が美しく、透けないことに加え、業務を行ううえでの動きやすさも欠かせない条件であることがわかります。
7.白だけじゃない!ナース服の人気色と色ごとの印象
魅力的なナース服の条件のトップ3である「伸縮性が高い」「透けない」「シルエットがきれい」に続く条件が「色・デザイン・柄」となっており、色を意識してナース服を選ぶ看護師も多いといえます。
そこで、ナース服の人気色と色ごとの印象を解説します。
7-1.ナース服の人気色
白は清潔感や信頼、純粋などのイメージを与えられることから、従来は白のナース服が定番となっていました。
しかし、最近では、白衣を見るだけで血圧が上がってしまう「白衣性高血圧」が問題となったり、ナース服に求められる条件が多様化していたりすることから、白以外のナース服も増えています。
定番色はやはり白ですが、ピンクや水色、ネイビーなどのナース服もあり、実際に白以外のナース服を導入する医療機関も増加しています。
7-2.色が与えるナース服の印象
同じデザインのナース服でも、色ひとつで大きく印象や雰囲気が変わります。
- 白:明るく純粋で、清潔感のある印象
- ピンク:女性らしく華やかな印象。リラックス効果が高い。
- ネイビー:引き締まった印象。集中力を高める、ストレスを緩和する効果がある。
このように、ナース服の色によって印象が大きく異なります。
ネイビーなどの青系のナース服は、落ち着きと同時に冷たさを感じる場合もあるため、小児科や精神科には不向きとされています。
どのような現場で働くのかによって、色の効果に注目しつつナース服を選ぶとよいでしょう。
8.【最新】トレンドのナース服を紹介
最後に、トレンドのナース服を紹介します。
8-1.防汚加工や静電防止加工など機能性抜群のナース服
トレンドのナース服は、医療現場で着用することを想定して、機能性の高いものが多く発売されています。
たとえば、患者と接することの多いことから、防汚加工や静電防止加工が施されているものがあります。
さらに、白色であっても透けにくい生地となっており、アンダーウェアの色に悩む必要がなかったり、洗濯後にすぐ乾くよう吸水速乾性の高い生地を使っていたりするものもあります。
良質でシワになりにくい生地を採用しているため、乾燥後にアイロンをしなくてもシワが気になりにくいものも販売されています。ナース服は使用頻度が高いため、アイロンを使わなくても済むのは魅力的です。
8-2.明るいプリント柄や花柄が施されたナース服
機能面だけでなく、デザイン性にもこだわったナース服が増えています。
たとえば、襟や袖にゆるやかなカーブを付けて優しい雰囲気になるよう工夫されていたり、部分的に色を変えておしゃれにアクセントが加えられてたりするものなどがあります。
また、ナース服といえば無地の印象が強いですが、アニマルミックス柄、アイス柄、アニマル柄、アニマルバルーン柄、花柄などを取り入れているナース服もあり、デザインや色のバリエーションはさまざまです。
そのほか、デザイン面だけでなく、着用時のシルエットにもこだわり、ウエスト部分が絞られているナース服も販売されています。
9.まとめ
今回は、ナース服に求められる条件やモチベーションとの関係について解説しました。
ナース服は看護師の働くモチベーションに影響することがわかっており、価格よりも機能性やデザインが重要視される傾向にあります。
そのため、最近では形やデザイン、色のバリエーションが多様化していることに加え、機能性の高いナース服も増えています。
個性や働き方に合うこだわりのナース服を見つけられれば、モチベーションアップにもつながるでしょう。
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