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企業で働く看護師・ナースエデュケーターとは?病院勤務とは違った魅力を解説

企業看護師 ナースエデュケーター

ナースエデュケーターという職種を聞いたことはありますか。ナースエデュケーターとは、製薬会社などに所属し、顧客の病院で医療従事者向けの教育・サポートを行う企業看護師の一種です。

看護師の勤務先といえば、病院やクリニック・訪問看護・介護施設などのイメージですが、近年、病院以外で看護師資格を活かした働き方が広がっており、ナースエデュケーターのニーズが年々高まっています。

「ナースエデュケーターは、看護師経験があれば未経験でもなれるの?」
「実際どんな仕事をするのだろう?業務の内容がイメージできない…」

このような疑問や不安を持つ看護師に向けて、ナースエデュケーターの仕事内容からやりがい、年収、キャリアパス、必要なスキルまでまとめて紹介します。

1.ナースエデュケーターとは?

ナースエデュケーターとは、製薬会社などに所属し大学病院や基幹病院などの医療機関を訪問して、自社の医薬品や医療機器などの情報提供や導入支援といった営業活動を行う看護師のことです。

主に看護師など医療従事者に対して、製品の使用方法や副作用のマネジメント、患者への効果的なケア方法などの情報を個々に説明したり、医療機関のニーズに応じて院内説明会を実施したりすることで、医療従事者の意識を高め、チーム医療の推進や患者のQOL向上に貢献します。

※企業によってはナースエデュケーターを、企業看護師(企業ナース)、クリニカルエデュケーター、クリニカルスペシャリストと呼ぶなど、呼称は様々です。

2.ナースエデュケーターの仕事内容と働き方

ナースエデュケーターの主な仕事内容は、下記の通りです。

製品の説明会や勉強会の実施
顧客である医療機関内で、自社製品に関する勉強会やセミナーを企画・運営します。 疾患に関する情報共有や、製品の使用方法、服薬指導方法などの説明が中心です。また、副作用マネジメントの促進にも取り組み、患者のQOL向上をサポートします。

医療従事者への情報提供・相談対応
医療現場のニーズを把握し、個々の医療機関に応じた情報提供や相談対応を行います。 現場の声を収集し問題点や課題を分析して解決策を提案することで、医療現場の課題解決を手伝う場合もあります。

その他
勤務先や医療機関のニーズに応じてMR(医薬情報担当者)への教育や、医療機器の使用方法に関する手技教育なども行います。 また、学会で医師・看護師対象のプレゼンテーションを行うなど、学術的な活動に関わることもあります。

2-1.ナースエデュケーターの1日

ナースエデュケーターの働き方は、企業や担当製品によって異なりますが、基本的には土日祝日休みで、残業も少ない傾向にあります。 直行直帰やリモートワークが可能な場合もあり、ワークライフバランスを保ちやすいのが特徴です。特に、コロナ禍以降、オンライン会議やリモートでの情報提供も増えており、より柔軟な働き方が可能になっています。

例えば、あるナースエデュケーターの1日は、次のイメージで進んでいきます。

9:00~12:00
内勤業務

・メール対応や情報提供資料の作成
・チームミーティングや訪問先のリサーチ
・製品に関する問い合わせ対応
・学会やセミナーの抄録確認
※在宅勤務も可能なので、上記の業務を自宅で行うなども可能

12:00~13:00
昼休み
13:00~18:00
施設訪問

・医療機関を訪問し、勉強会や説明会を実施
・医師や看護師への情報提供
【施設訪問終了後、直帰も可】
・オンライン会議に参加し、他のナースエデュケーターと情報共有

18:00~
退社

このように、1日の流れとしては、社内での事務作業や情報収集と医療機関への訪問や説明会の実施をバランス良く行いながら日々業務を進めていきます。 

2-2.ナースエデュケーターの1週間

下表はナースエデュケーターの1週間の勤務例です。

曜日  業務内容
月曜日内勤業務:チームミーティング、訪問先のリサーチ、MRへのレクチャーなど
火曜日施設訪問:看護師への勉強会、医療従事者からの質問への回答
水曜日内勤業務:MRとのプレゼンテーション打合せ、資料作成、プロジェクトチーム会議
木曜日施設訪問:複数の病院訪問、レポート作成
金曜日看護師向け説明会実施、収集した現場の意見を社内にフィードバック
土日祝休み

上記はあくまで一例であり、実際には担当製品や訪問先のスケジュールによって業務内容は異なります。しかし、土日祝日は基本的に休みで、直行直帰やリモートワークも可能なため、ワークライフバランスを保ちやすい仕事と言えるでしょう。

3.ナースエデュケーターと病棟看護師の違いと魅力

病院勤務と企業勤務では、看護師の働き方ややりがいはどのように変わるのでしょうか。

ナースエデュケーターの魅力について病棟看護師との違いに触れながら紹介します。

3-1. ワークライフバランスが良い

ナースエデュケーターの働き方は、基本的に土日祝休みで夜勤はありません。 主に製薬会社に就職するため、夜勤や不規則な勤務が中心の病棟看護師とは大きく異なる点と言えます。 また、営業として顧客先の訪問では直行直帰やリモートワークができる職場もあり、スケジュール調整で自分のペースで働きやすい場合もあります。

製薬企業に所属するため、福利厚生が充実しているのも魅力の一つです。 育児休暇や介護休暇などの休暇制度や、保養施設利用の割引制度、キャリアアップ支援制度など、安心して働ける環境が整っています。

また、患者と直接関わる機会は少なく、医療現場で起こる急変は発生しないため、1ヶ月先の予定を組みこともでき、ワークライフバランスを良い状態に保つことができます。

一方で、出張の機会が多いという特徴もあります。 担当エリアによっては全国各地、時には海外への出張もあり、移動時間や慣れない土地での活動は、体力的に負担に感じることもあるかもしれません。 しかし、様々な場所を訪れ、新しい知識や経験を得られることは、大きな魅力の一つと言えるでしょう。

3-2. 収入アップも目指せる

厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均収入は、約508万円となっています(※1)。

対して、実際の求人を見ると、ナースエデュケーターの平均年収は500万円以上となっています。 経験年数やスキルによっては、600万円以上など年収アップも可能です。(※2)。

このように、ナースエデュケーターは土日祝休みで夜勤が無いという条件を考慮すると高収入かつ好待遇の求人と考えられるでしょう。また、専門知識やコミュニケーション能力など看護師で得た多くの経験を活かすことができるのも大きな魅力です。

※1 企業規模計10人以上のデータの使用
年収算出方法:月額給与(きまって支給する現金給与額)×12+賞与(年間賞与その他特別給与額)

※2 調査方法:大手看護師転職サイト3社に掲載されている求人を参考(2024年5月時点)
経験年数やスキルなど、求人ごとに条件が異なりますため、あくまで参考値としてご理解ください。

3-3. ビジネスマナーが身につきキャリアの幅が広がる

ナースエデュケーターは、看護師としての専門スキルをベースに医療業界で活躍するためのビジネススキルも身につけることができます。

例えば、企業で働く上で必要なビジネスマナーやコミュニケーションスキル、プレゼンテーションスキルなどの習得が可能です。 また、担当する製品や疾患に関する専門知識を深め、医療従事者への教育スキルを磨くこともできます。

多くの企業では、社員のスキルアップを支援するための研修制度が充実しています。 ビジネスマナーや製品知識、プレゼンテーション、コンプライアンスに関する研修など、ナースエデュケーターに必要な研修を通して、さらなるキャリアアップを目指せます。

このように、ナースエデュケーターは、看護師としての専門性を活かしながら、ワークライフバランスやビジネススキルを身につけることができるなど、キャリアの幅が広がる魅力的な職業と言えるでしょう。

4.ナースエデュケーターになるには?

ここでは、具体的にどのようなスキル・経験が必要なのか、未経験でも挑戦できるのかどうかについて紹介します。

4-1. 必要な資格、経験・スキルは?

ナースエデュケーターになるには、看護師資格が必須です。エントリー基準は看護師として医療現場での実務経験が3〜5年程度必要なケースが一般的で、求人によっては、がん患者看護など専門性の高い業務経験が求められる場合もあります。

また、必須ではありませんが、次のようなスキルや経験があるとさらに活躍の幅が広がります。

  • 基本的なPCスキル
  • 情報収集・分析能力
  • コミュニケーション能力
  • プレゼンテーションスキル
  • ビジネスマナー
  • 普通自動車運転免許

特に、基本的なPCスキルやコミュニケーション能力、ビジネスマナーなどについては、病院勤務とは違った能力が求められるケースも少なくありません。

例えば、基本的なPCスキルとして、資料作成(Word、PowerPoint)、データ分析(Excel)、メール対応、オンライン会議システムの利用などが挙げられます。また、訪問時の対応やビジネス敬語、電話マナーなど、病院での勤務では身に付きにくいものが多くあります。このようなビズネスマナーは、取引先や営業先の方々と円滑なコミュニケーションを行うために必要になります。

いずれも、入社後の研修や自己学習で習得していくことが大切です。

4-2. 未経験からの転職は可能?

ナースエデュケーターの求人の中には、未経験者歓迎のものもあります。 求人条件に該当する看護師経験があれば、ナースエデュケーターとしての業務経験はない場合でも応募可能です。

なぜなら、医療現場での経験を通して培った疾患や治療に関する知識などがナースエデュケーターの業務に活かせるためです。特に、臨床現場での経験は、医療従事者との円滑なコミュニケーションや、現場のニーズを的確に把握する上で大きな強みとなります。

ナースエデュケーターはコミュニケーションスキルやプレゼンテーションスキルが求められるため、企業側も入社後の研修制度を充実させています。未経験での入社から医療現場での経験・知識を活かし活躍している社員も多い職種なので、安心してチャレンジしてみましょう。

5.まとめ

この記事では、ナースエデュケーターの仕事内容や働き方、病院勤務との違い、必要なスキルなどを詳しく解説しました。

ナースエデュケーターは、看護師の資格と経験を活かし、製薬会社などで活躍できる魅力的なキャリアパスとして注目されています。 医療業界で専門性を高めながら、ワークライフバランスとやりがいの両立を実現できる魅力的な選択肢です。

ナースエデュケーターになるには、看護師資格と3〜5年程度の看護師実務経験が必要ですが、未経験者歓迎の求人もあり、入社後の研修制度も充実しています。

看護師としての経験を活かして、新しいキャリアに挑戦したい方は、ぜひナースエデュケーターへの転職を検討してみてはいかがでしょうか。

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