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透析看護師のやりがいとは?仕事内容と勤務スケジュールも併せて解説

透析看護師

透析看護師は、病棟や外来の看護師よりも看護師が行う医療行為が多く、専門性が高い職種とされています。そう聞くと大変そうなイメージを持たれがちですが、基本的に日勤での勤務なため夜勤やオンコールはありません。また、残業も少ないため、プライベートの充実や家庭との両立がしやすく、魅力的な働き方できる職場です。

そこで今回の記事では、看護師という仕事の中でも具体的な仕事内容や働き方がイメージしにくい透析看護師の仕事内容や勤務スケジュールを中心に解説します。透析看護師として働く上で知っておきたい給与の目安や活用できる資格はもちろん、やりがいや大変さについても併せて紹介します。

1.透析とは

透析とは、慢性腎不全などが原因で機能が低下した腎臓の代わりに、血液中の老廃物や余分な水分を人工的にろ過する治療法のことです。透析療法には、血液透析と腹膜透析の2種類があります。

  • 血液透析
    病院やクリニックに設置されているダイアライザーと呼ばれる透析器に血液を通すことで、血液中の老廃物や不要な水分を除去します。週に3回ほど通院し、血液透析を受ける必要があります。
          
  • 腹膜透析
    患者の腹膜を利用する透析で、自身で在宅での透析が可能になっており、外来への通院は月に1~2回となります。

透析看護師が主に対応するのは血液透析に関わるケアになります。

慢性腎不全になると腎機能の回復は見込めないのでぷ…。
透析に加え、食事療法や投薬を行いながら、進行を止めたり遅らせたりする治療がおこなわれるでぷ!

2.透析看護師の役割・仕事内容

透析看護師が行う仕事は主に4つあります。透析を行うための直接的な医療行為もありますが、透析前後の準備や患者に対しての健康指導も透析看護師においては重要になります。

ここでは、役割や仕事内容を段階に分けてみていきましょう。

2-1.透析開始前の確認

透析を開始する前には、患者の体重やバイタルチェックを行います。

透析を受ける患者は、尿が正常に排出できず、摂取した水分が身体に溜まり、体重が増加しています。当日の体重を測定することで、患者ごとの適性体重(基準体重・ドライウェイト)から除水量を計算します。

また、透析患者は透析と次の透析の間での体重変動は、中1日で体重の3%以内、中2日で体重の5%以内にすることが大切です。前回の透析後との体重を比較することで、患者の自己管理力などを確認します。

その他にも、人工透析の機械(ダイアライザー)を準備し、作動を行います。ダイアライザーの準備では、透析液の投与量や注入速度が指示通りに設定してあるか、使用する薬剤は適しているかといった事前確認をします。

2-2.シャント穿刺(せんし)や抜針、止血などの医療行為

血液透析では、血液から毎分200ミリリットル程度を取り出し、ダイアライザーに通して人口的な血液ろ過を行います。

大量の血液を送れるように、透析患者は、透析治療を開始する前にシャント手術という腕の静脈と動脈を部分的につなぎ合わせて1本の太い血管にする手術を行っています。

透析看護師はシャントに針を刺し、血液循環操作を行います。1回の透析は4~5時間かかり、終了したら針を抜いて止血します。

シャント穿刺は、看護技術の中でも経験がないと難しいスキルでぷ!
角度や深度、シャントの位置や状態を確認し、静脈圧の観察をしっかりと行うでぷ!

2-3.透析治療中の患者の観察

1回につき4~5時間かかる透析中は、血圧低下によって嘔吐や意識障害が起こることがあります。透析中の患者の体調チェックや、問題なく透析ができているかのチェックや記録も透析看護師の仕事です。

透析クリニックには比較的状態の安定している患者が多い傾向にありますが、病院内の透析室・透析センターではリスクの高い患者を担当することもあります。

2-4.患者の健康指導

透析を必要とする患者は、心不全や感染症、高血圧といった合併症が起こりやすい状態にあります。合併症の予防には患者自身による自己管理が必須です。

透析看護師は患者の体重管理や食事制限などの日常生活における生活指導も担当し、上手に自己管理や生活習慣のコントロールができるようにサポートします。

3.透析看護師の勤務スケジュール例

透析看護師の1日のスケジュール例を紹介します。

8:30
始業。前日からの申し送り事項や当日のスケジュールの共有
8:40
透析準備。その日の最初に透析を受ける患者たちのための機械準備など
8:50
透析患者のバイタルチェック
9:00
バイタルに問題なければ、シャント穿刺を行い透析開始
10:00
透析中のバイタル・体調チェック(透析完了まで1時間ごと)
12:00
透析後、止血をしてバイタルチェック・記録
13:00
昼食
14:00
2組目の透析準備、透析開始
17:00
午前の組と同様に途中バイタルチェックなどを行い、透析完了、記録
18:00
翌日の準備、事務作業などをして終業

透析看護師は1人で同時に4~5人の患者を担当します。透析は開始から完了までに時間がかかるので、午前に1組、午後に1組で完了します。

1回の透析は4~5時間かかるので、昼食はチーム内で交代しながら取る場合や、14時ごろになることもあるでしょう。透析は主に日中に行われ、1回あたりの時間をおおよそ決まっているので、透析看護師には夜勤やオンコール対応、残業がないのが基本です。

ただ、病院によっては17時以降に開始し、21時以降に終了する夜間透析や19~20時などの遅い時間に入室可能な施設などもあります。また、8時間ほどの時間をかけ、睡眠中に透析を行うオーバーナイト透析などもありますので確認しておきましょう。

4.透析看護師になるメリット、やりがい

透析看護師として働く上でのメリットややりがいは主に「働きやすさ」「専門性」「長期間患者をサポートできる」の3つが挙げられます。

4-1.ライフスタイルに合わせて働くことができる

透析看護師の勤務時間は日勤のみの病院が多く、仕事のオンオフの切り替えがしやすくなっています。クリニックによっては、早朝透析や夜間透析、オーバーナイト透析などを行っている所もあり、勤務時間が多様なため、自身のライフスタイルに合わせて働くこともできます。

また、患者の通院スケジュールが決まっている場合が多く、突然の残業などはほとんどなく、働きやすい職場になっています。

クリニックに来る患者さんは、介助などが必要になることも少ないため、体力的な負担が少なくなっているでぷ!

4-2.透析業務の専門性を高められる

透析看護師の仕事は透析機器やシャント穿刺など専門性が高く、経験を積まなくては難しい処置も多くあります。透析看護師としての知識や技術が高められる資格として「慢性腎臓病療養指導看護師」「腎不全看護認定看護師」「透析技術認定士」などがあります。

また、透析看護師が行う業務は、基本的にどの透析クリニックや病院でも共通しているため、一度技術を身につければ別のクリニックなどにも転職しやすいと言えます。

4-3.患者を長期的にサポートできる

腎臓は一度悪くなると回復は見込めす、透析が必要な状態まで腎機能が低下すると、一生涯透析を行わなければなりません。透析は週に3回、1回に4時間ほどかけて行うものなので、透析看護師はそれぞれの患者と長期間関わることになります。

患者と長期間にわたって信頼関係を築き、コミュニケーションを取りながら看護を行いたい方には向いている職種になります。

5.透析看護師になるデメリット、大変さ

やりがいがある透析看護師ですが、仕事をする上では以下のような点で大変さやデメリットを感じることがあります。

5-1.高度な技術が求められ、ミスが怖くなる

透析看護師には他の診察科では操作することがない機械を使用します。また、透析時に患者に対して必ず行う穿刺では、一般的な点滴用の針よりも太いものを用いるため、高度な技術が求められます。高度な技術が必要となることは、やりがいにもつながりますが、慣れるまでの不安やスランプの原因となることがあります。

5-2.ルーティンワークになりがちで他の看護スキルを身につけにくい

透析看護師は、日々患者に対して血液透析を行います。慣れるまでは大変な作業ですが、一旦慣れてしまうと繰り返しのように感じて物足りなくなる恐れがあります。また、透析看護師は、基本的には透析に関する看護しか行わないので、専門性が高い一方で他の看護スキルは身につけにくいと言えます。

5-3. 常に仕事ぶりを見られているように感じる

透析は広さのあるオープンフロアで行われます。常に患者の状態を確認できるメリットがある一方で、患者や他のスタッフから常に見える位置で業務を行わなければならないため、ストレスやプレッシャーを感じやすくなります。そのような環境での業務が得意ではない方は、自身にも向いているか考えた方がよいかもしれません。

6.透析看護師の給料・年収相場

厚生労働省が実施した「令和5年度賃金構造基本統計調査」によれば、看護師全体の平均年収は508万1,700円でした。(※)透析看護師の年収は、当社の独自調査によると400万~450万円が相場となっています。

透析看護師は、主に血液を扱う業務を行うので、感染リスクが他の診療科より高くなります。そのため、危険手当や透析手当が出る場合も多く、一般的なクリニックの外来看護師と比べると高い水準です。しかし、夜勤のある病棟看護師と比べると50万~60万円ほど低くなる傾向にあります。

※平均年収の内訳(月収35.2万円×12か月+ボーナス85.7万円)
※月収=夜勤手当や時間外手当、通勤手当、家族手当等の各種手当を含んだ額面の金額

参考:「令和5年度賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)

7.透析現場で生かせるさまざまな資格

透析看護師が高いスキルと知識、専門性を身につける上で役立つ資格には、主に以下の3つがあります。

7-1.腎不全看護認定看護師

認定看護師とは、日本看護協会によって高い看護技術と知識を有していることを認められた看護師のことです。認定される分野は現在19分野あり、そのうちの1つに「腎不全看護」があります。

以前は「透析看護」と呼ばれる分野でしたが、名称変更され、カリキュラムも変わっています。これは透析だけでなく、透析導入の予防や療養指導なども含む幅広い領域対応するためです。以前のカリキュラムに沿った透析看護認定看護師の認定審査は2029年度まで行われ、その後の更新も可能ですが、これから認定看護師を目指すなら、新カリキュラムの腎不全看護認定看護師になります。

腎不全看護認定看護師は、腎不全の患者に対して療養指導や透析看護において高いレベルの看護ケアを提供できます。患者の苦痛を和らげる透析サポートだけでなく、患者の自己管理についての相談や指導も腎不全看護認定看護師の役割となります。病院やクリニックに所属する看護師や看護学生への勉強会の開催や、管理栄養士などと連携して患者がより良い治療生活を送るための体制づくりも行います。

参考:「認定看護師」(日本看護協会)
参考:「認定看護師教育基準カリキュラム」(日本看護協会)

7-2.慢性腎臓病療養指導看護師(旧透析療法指導看護師)

日本腎不全看護学会が認定する資格で、以前は透析療法指導看護師という名称でした。しかし、透析業務に限らず、慢性腎臓病の病気ステージ1~5までの専門的知識、保存期からの血液液透、腹膜透析、腎移植といった全ての範囲についての知識を持つことから、2017年に慢性腎臓病療養指導看護師に名称変更されています。

患者への生活面の指導や透析業務について、医師や理学療法士、臨床工学技士などとともにチーム医療に参加し、より専門的な医療に携わります。

参考:「慢性腎臓病療養指導看護師」(日本腎不全看護学会)

7-3.透析技術認定士

透析技術認定士は、日本腎臓学会・日本泌尿器科学会・日本人工臓器学会・日本移植学会・日本透析医学会から選出された委員によって構成される透析療法合同専門委員会が認定する資格です。「腎不全看護認定看護師」や「慢性腎臓病療養指導看護師」が、その名の通り「看護師」向けの資格であるのに対し、透析技術認定士は臨床工学技士向けの資格とされています。

資格認定には、透析療法合同専門委員会が実施する講習会の修了と、認定試験への合格が必要です。講習会に参加するためには、看護師の場合は透析業務経験年数が2年以上、准看護師の場合は高卒なら経験年数が3年以上、中卒なら経験年数が4年以上必要となります。

透析の知識や専門性を身につけるにあたっては、透析技術認定しよりも腎不全看護認定看護師や慢性腎臓病療養指導看護師の資格取得を優先した方がよいかもしれません。

参考:「透析技術認定士」(医療機器センター)

8.まとめ

今回の記事では詳しい仕事内容がイメージしづらい透析看護師について、やりがいや給与、関連資格に至るまで網羅的に紹介しました。

安定した働き方ができる点は非常にメリットが大きく、また、関連資格が複数あるため、キャリアアップの道も明確なものとなっています。今回の記事が透析看護師に興味を持つ一端となれば幸いです。


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