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看護師と保健師の違いとは?保健師の資格や仕事内容・年収を解説 

看護師と保険師の違いとは?保健師の資格や仕事内容・年収を解説 

看護師と類似の職種に、保健師があります。
どちらも人の健康に寄り添う大切な仕事になりますが、担当する業務内容や雇用条件は異なります。

転職を検討している看護師のなかには、看護師と保健師のどちらがいいか迷っている人もいるかもしれません。本記事では、保健師の仕事内容や年収、資格取得について解説していきます。

現在の勤務地から転職を検討している看護師は、看護師と保健師のどちらが向いているかの参考にしてみてください。

1.看護師と保健師の違いとは?

看護師と保健師は、医療分野で異なる役割を担っている職種です。看護師は患者の直接的なケアに重点を置き、地域社会での健康教育や予防活動に注力しているのが特徴です。

看護師と保健師の違いについて、詳しく解説していきます。

1-1.看護師と保健師の仕事内容の違い

看護師は、直接的な患者ケア、医療チームでの協力や緊急時の処置対応などを担当します。
一方、保健師は直接的なケアではなく、病気や怪我を予防することに注力します。

具体的には、地域の健康計画の立案や健康教育の実施、健康相談や予防接種などを行い、地域の健康を総合的にサポートするのが保健師の役割です。保健師には、以下のような種類があります。

  1. 行政保健師
  2. 産業保健師
  3. 学校保健師
  4. 病院保健師

行政保健師は、市民の健康相談や医療相談を受けたり、難病を抱える方のサポートを行ったりします。同じ地域で働く公務員の健康相談を受けることもあります。

厚生労働省が発表している平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況※1で、行政保健師の割合は全体の約73.9%でした。

産業保健師は、企業内で従業員の健康管理を担当します。企業では、業務内容や人間関係が原因で、肉体的や精神的な不調をきたしてしまう可能性があります。産業保健師は、悩みを抱えた従業員に寄り添い、仕事を続けるために必要なアドバイスをする大切な仕事です。

学校保健師は、私立の中学校や高校、専門学校や大学の学生の相談にのったり怪我の応急処置をしたりします。近年はインターネットの普及で人間関係に悩む学生が増えました。そんな学生の話を聞き、通学や勉強に集中できるようサポートします。

病院保健師は、病院やクリニックで健康診断や健康相談を行います。施設によっては看護師の仕事と兼任になる場合もあるので、看護師として勤務している人にとって、病院保健師は身近な存在ともいえるでしょう。

※1)参照:平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況

1-2.看護師と保健師の職場の違い

看護師は病院やクリニックでの勤務が主で、入院病棟がある施設では夜勤やシフト制が一般的です。一方の保健師は、種類によって以下のように職場が変わります。

  1. 保健所
  2. 健診センター
  3. 企業
  4. 学校
  5. 病院

保健師は地域に根差した健康増進活動を行うため、上記のような施設で地域特有のニーズに応えることが求められます。看護師は病院やクリニックでの勤務が原則になりますが、保健師は職場を選べるのが特徴です。

1-3.看護師と保健師の年収の違い

厚生労働省が発表した令和4年賃金構造基本統計調査を基に、看護師と保健師の年収の違いを比較していきます。

看護師保健師
年齢40.7歳42.4歳
勤続年数9.1年9.4年
所定内実労働時間158時間161時間
月給351,600円333,800円
賞与862,100円807,200円
参照:「e-Stat」令和4年賃金構造基本統計調査

上記を基に年収を算出すると、看護師の年収は508万1,300円、保健師の年収は481万2,800円です。看護師の年収は保健師よりもやや高いですが、保健師は公務員としての雇用が多く、安定した収入と良好な福利厚生を受けられます。

長期的に安定した職場で働きたいと考えている看護師は、保健師への転職を検討してみましょう。

1-4.看護師と保健師の資格の違い

看護師になるためには、看護学校または大学での専門教育を受けた後、看護師国家試験に合格する必要があります。保健師になるには看護師免許を取得後、所定の保健師養成課程(1年以上)を修了し、保健師国家試験に合格しなくてはいけません。

あらためて国家試験に合格するのはハードルが高いと感じるかもしれませんが、看護師と保健師のダブルライセンスを持つことでキャリアの幅が広がります。

2.看護師よりも保健師が向いている人の特徴

2.看護師よりも保健師が向いている人の特徴

転職を検討している看護師は、看護師よりも保健師に向いているかどうか考慮します。以下のような特徴を持っている人は、看護師よりも保健師に向いている可能性があります。

転職を検討している看護師は、以下を参考にしてみてください。

2-1.責任感のある人

保健師は看護師と異なり、少人数で業務を担当していきます。そのため、一人ひとりの担当範囲と責任が増えるため、責任感のある人は保健師に向いています。

集団での業務よりも少人数の職場で働きたい看護師は、保健師に転職した方が働きやすい環境を作りやすいといえるでしょう。

2-2.コミュニケーションスキルのある人

保健師は、様々な状況で相談者とコミュニケーションをとる能力が求められます。丁寧な言葉遣いや聞き手の理解度に合わせた情報の提供、効果的なプレゼンテーションスキルなどが、保健師には不可欠です。

老若男女問わず、多くの人とコミュニケーションをとるのが好きな人は、保健師になってからそのスキルを活かせます。

2-3.相談者に寄り添える人

保健師は、相談者の健康状態や心配事に対して、思いやりを持って接することが求められます。背景や地域住民の視点を理解し、それに基づいて適切なアドバイスやサポートを提供する能力が必要です。

常に相談者の立場に立って考え、必要なサポートを提供できる人が、保健師には向いています。

3.看護師から保健師に転職して後悔しやすいポイント

3.看護師から保健師に転職して後悔しやすいポイント

看護師から保健師に転職した人の中には、転職して後悔したと感じる人もいます。転職後に後悔しないように、保健師に転職して後悔しやすいポイントを解説していきます。

3-1.その後のキャリアアップができない

保健師に転職した看護師は、キャリアアップの機会が限られる可能性があります。保健師は看護師と比較して、異動によるスキルの習得チャンスが限られるためです。

保健師に転職して後悔しないように、今後のキャリアを十分に考慮し、保健師に転職する理由を明確にすることが重要です。

3-2.求人が少なく転職しにくい

保健師の求人は看護師に比べて数が少ないため、転職先を見つけるのが難しくなります。保健師として転職しても、何らかの事情で転職を余儀なくされた場合に転職先がないのはデメリットになります。

保健師として転職を希望する場合は、事前に地域の求人状況や施設をよく調査することが重要です。

3-3.年収が下がりやすい

看護師と保健師の年収を比較した通り、保健師に転職すると年収が下がる可能性があります。より多くの収入を得たいと考えて保健師に転職すると、期待通りにいかずに後悔するかもしれません。

保健師と看護師では勤務時間や労働環境が大きく異なるので、年収以外の条件を吟味して転職するか判断することが重要です。

4.看護師から保健師に転職するメリット

4.看護師から保健師に転職するメリット

看護師から保健師に転職することで得られるメリットもあります。保健師に転職するメリットを解説するので、看護師と保健師、どちらの仕事を選ぶか迷っている人は転職の際の判断材料にしてみてください。

4-1.公務員になれる可能性がある

保健師になることで、公務員として勤務できます。保健師の約73.9%を占める行政保健師は、公務員として自治体の保健所や健診センターで勤務するためです。

公務員として働くことで、長期的に安定した雇用や定期的な昇給、充実した福利厚生などのメリットを得られます。雇用環境が不安定な現代では、安定収入は大きな魅力になるでしょう。

4-2.夜勤が無い

看護師と異なり、保健師には基本的に夜勤がありません。そのため、生活リズムが安定し、家族との触れ合いや趣味の時間を大切にできます。

また、夜勤に伴う身体的な不調や精神的な負担がないため、長期的に健康を維持しやすくなります。独身時代はシフト制や交代勤務でも対応できますが、結婚して子供ができると夜勤や週末の勤務は難しくなるでしょう。

保健師は、看護師と比較して長期的に働きやすい環境が整っている仕事です。

4-3.活躍できる場が多い

看護師は病院やクリニックでの勤務が主ですが、保健師は学校や企業、地方自治体などで活躍できます。異なる環境で経験ができるので、看護師時代には経験できなかった多様なスキルや知識を身に付けることも可能です。

また、直接的なケアを担当する看護師と異なり、公衆衛生や健康教育など、より広範な分野で影響力を持てます。仕事を通じて多くの経験を積みたいと考えている人は、保健師になるメリットを享受できるでしょう。

5.保健師免許の取得方法

5.保健師免許の取得方法

保健師に転職を検討している人は、保健師国家資格に合格しなくてはいけません。保健師免許を取得する方法について、詳しく解説していきます。

5-1.保健師免許を取得できる学校

保健師免許を取得するためには、認定された教育機関での専門教育が必要です。大学や専門学校の保健師教育課程では、公衆衛生や疾病予防、健康増進などの専門知識と実践的なスキルを学びます。

保健師教育課程は、理論と実践の両方を組み合わせたカリキュラムを提供し、保健師として必要な能力を身に付けることを目指しています。

5-2.保健師国家資格は通信で取得できない

保健師免許を取得するためには、対面での教育と臨床実習が不可欠です。そのため、通信教育やオンラインプログラムでは保健師免許を取得できません。

看護師免許を持っていない場合は、保健師養成コースを設置している4年制の看護師養成学校で必要な課程を修めることで、卒業と同時に看護師と保健師の国家試験をダブル受験できるようになります。看護の経験がない場合は、4年制の看護師養成学校に入学することで時間と費用の節約につながるでしょう。

5-3.保健師国家資格を取得するための費用は?

すでに看護師として勤務している場合は、1年制の保健師養成学校に通学します。その際にかかる費用は、100万円〜200万円程度が一般的です。

4年制の大学に通う場合は、国立で200万円〜300万円程度、私立大学で400万円〜700万円程度かかります。保健師免許を取得するために学校選びは重要なので、複数の学校のパンフレットなどを取り寄せて選んでみましょう。

5-4.資格取得までにかかる期間と合格率は?

看護師保健師
資格取得までの期間・4年制の看護大学を卒業
・3年制の短期大学を卒業
・3年制の看護師養成所を卒業
・保健師コースがある4年制大学に入学し、看護師とダブル受験
・看護師免許取得後、保健師養成学校(1年間)へ入学
資格取得看護国家試験に合格保健師国家試験および看護師国家試験に合格
合格率90.8%(2023年)93.7%(2023年)

6.まとめ

保健師は、地域社会に根付いて病気や怪我を予防するために大切な仕事です。保健師には行政保健師や産業保健師、学校保健師や病院保健師などがあるので、どの職場で働くかを選べるのが特徴です。

保健師として働くためには、看護師は1年制の保健師養成学校に通って実習などを受ける必要があります。看護師免許を持っていない場合、看護師免許を取得してから保健師免許を取得するか、ダブル受験が必要です。

保健師は夜勤がないのでワークライフバランスが整いやすい一方で、年収が下がりやすいのがデメリットです。しかし、行政保健師になることで公務員としての福利厚生を受けられるチャンスがあるので、安定志向の人は保健師が向いているでしょう。

転職を検討している看護師は、安定した報酬と生活リズムが両立できる保健師としての活動を検討してみてください。

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