【2025年最新】男性看護師の割合・年収・就職先は?うまく働く方法も解説

男性看護師

「看護師といえば女性の仕事」というイメージが少しずつ変わってきています。2002年に「看護士」「看護婦」という性別で呼び分ける呼称が廃止され、男女問わず「看護師」と統一されたことで、男性の看護師も増加しつつあります。

それでもなお男性看護師は少数であり、就職やキャリア形成において不安を抱く方も少なくありません。しかし、近年の医療現場では男性看護師ならではの強みが高く評価され、活躍の場は広がってきています。

本記事では、男性看護師の人数や割合、年収、活躍できる診療科などを最新データとともに詳しく解説します。さらに、働きやすい職場選びのコツや年収アップの方法、職場での立ち回り方なども紹介しますので、これから看護師を目指す男性や、現役で活躍する男性看護師の方も参考にしてください。

1.男性看護師ってどのくらいいるの?

男性看護師は近年着実に増加を続けています。2012年では63,321人でしたが、2022年には112,164人と、およそ10年間で約2倍近く増加しました。

男性看護師の年次推移
厚生労働省の調査を参考に弊社にて表作成しております

男性看護師の割合も年々上昇しています。2012年は全看護師に占める男性の割合は6.2%でしたが、2022年には8.6%まで拡大しました。割合の伸びは緩やかですが、長期的に見ると着実に男性の進出が進んでいることがわかります。

看護学校における男子生徒の割合も少しずつ増加傾向にあります。看護師3年課程では2018年の12.1%から2023年には16.4%まで増加しています。依然として女性が多数を占めていますが、男性の進学希望者も着実に増えつつある状況です。

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出典:厚生労働省「令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」
出典:日本医師会「令和5年 医師会立助産師・看護師・准看護師学校養成所調査」

2.男性看護師の需要が高まっている理由

かつては精神科や手術室など一部の診療科で多く見られた男性看護師ですが、現在ではその活躍の場が大きく広がり、さまざまな医療現場で重要な役割を果たしています。ここでは、男性看護師の需要が高まっている背景を3つの観点から解説します。

2-1.高齢化の進行と医療ニーズの拡大

日本の高齢化が進む中で、医療や介護現場では要介護度の高い患者や入院患者の身体介助が日常的に求められるようになっています。特に、移乗介助・体位変換・入浴介助・リハビリ補助といった身体的負担の大きいケアにおいて、男性看護師の体力や体格は大きな強みとされています。

また、精神的に不安定な患者や抵抗の強い患者への対応など、安全性の確保が求められる場面でも、男性看護師がチームの中で重要な役割を担っています。

2-2.医療ニーズの多様化と男性患者への対応

近年は、AGA(男性型脱毛症)治療や男性向けの美容医療、男性更年期障害、泌尿器科疾患など、男性特有の悩みに特化した診療分野が拡大しています。こうした分野では、患者が安心して相談できる環境づくりのため、同性である男性看護師の存在が重要視されています。

特に、思春期の男子や高齢の男性患者がプライバシーに関する悩みを抱えている場合や、身体に触れる処置が必要な場面では、女性看護師には話しにくい内容でも、男性看護師であれば心理的ハードルが下がり、より良いケアやコミュニケーションが可能となります。

2-3.男性看護師ならではの役割と職場での存在感

男性看護師は、単に体力的な役割にとどまらず、「同性としての共感」や「力を活かした安全なケア」など、独自の役割を果たしています。

重度障害者へのケアや精神的な動揺が激しい患者の制止・見守りなど、男女がバランスよくチームを組むことでより適切なケアが可能になる場面も増えています。

また、美容クリニックや自由診療の現場でも患者との信頼関係を築きやすい存在として重宝されています。従来は限定的だった男性看護師のキャリアも、多様化が進み、今後のニーズ拡大が期待されています。

3.男性看護師が活躍している診療科

男性看護師は男性ならではの強みを活かし、さまざまな診療科で活躍しています。ここでは、男性看護師のニーズが高い診療科を紹介します。

3-1.整形外科

整形外科では、骨折や関節疾患、外傷によるリハビリが多く、患者の移動・介助が日常的に必要となります。体力や筋力のある男性看護師は、患者を安全に移乗・移動させる際に頼りにされやすく、リハビリ支援でも活躍できます。

3-2.精神科

精神科では、患者が不安定な精神状態に陥り、暴れてしまったり、パニックを起こす場面も少なくありません。

そのような場合、男性看護師の物理的な力強さや雰囲気による力強さにより、患者自身で行動を抑えたり、冷静になることができます。このように、感情や行動を患者自身でコントロールするという働きかけが行えます。

また、男性患者によっては同性の看護師の方が相談しやすい場合もあります。

3-3.泌尿器科

泌尿器科では排尿や性機能に関するプライベートな悩みを抱える男性患者も多いため、男性看護師がいることで受診の心理的なハードルが下がる場合があります。

男性患者が安心して相談できる環境づくりに貢献できる点が強みです。

3-4.脳神経外科

脳神経外科では、疾患により麻痺や日常生活全般で介助が必要な患者が多くリハビリや入院中の入浴介助・体位変換など、身体介助が頻繁に発生します。

体力を要するこれらの場面で男性看護師は重要な戦力となります。また、同性の介助を希望する男性患者も多く、男性看護師が重宝されます。

3-5.男性専門外来

ED(勃起障害)やAGA(男性型脱毛症)といった男性特有の悩みを扱う男性専門外来では、男性看護師の存在そのものが患者の安心感につながります。同性のスタッフの方が悩みを打ち明けやすい患者が多いため、治療に前向きに取り組める環境づくりに寄与できます。

3-6.手術室・救急外来

手術室や救急外来は、高度な判断力と迅速な行動力、体力・集中力が求められる現場であり、男性看護師が特に活躍しやすい環境です。

患者の移動や体位固定、重い医療機器や物品の運搬などの力仕事は、どちらの現場でも日常的に発生するため、男性看護師の体力や行動力が重宝されています。また、長時間にわたる手術や、緊急性の高い症例への対応など、緊張感の続く場面でも集中を切らさずに業務を遂行する力が求められます。

4.男性看護師の給料・年収事情

看護師は比較的安定した収入が得られる職業ですが、男性看護師の場合は女性看護師と比べて収入面に多少の差があると言われています。

ここでは、男女の年収差や年齢による収入の変化、他職種男性との比較を含めて、男性看護師の収入事情を詳しく見ていきます。

4-1.男性看護師と女性看護師の年収差

男性看護師の平均年収は、女性看護師と比較してやや高めです。これは夜勤や残業の有無だけでなく、基本給や昇進状況なども影響していると考えられます。

令和6年時点の調査によると、男性看護師の平均年収は約534万8,300円、女性看護師は約517万8,900円で、年間で約17万円の差が生じています。月収ベースで見ても、男性看護師の平均月収は37万3,500円、女性は36万2,300円と、男性の方が高くなっています。

注目すべきは、夜勤手当や時間外手当を除いた月給にも差が見られる点です。男性看護師は33万2,500円、女性は32万9,300円と、わずかではあるものの基本給ベースでも男女差があります。

男性看護師女性看護師
平均年収5,348,300円5,178,900円
平均月収373,500円362,300円
平均月給(手当除く)332,500円329,300円
平均ボーナス(年間)866,300円831,300円
平均年齢39.6歳41.4歳

出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」
※企業規模計10人以上のデータを使用
※年収算出方法:月額給与(きまって支給する現金給与額)×12+賞与(年間賞与その他特別給与額)

4-2.男性看護師の年齢別平均年収

年齢別にみると、男性看護師の年収は20代前半で約398万円、30代前半で520万円程度まで上昇し、40代前半では605万円と最も高くなります。

その後50代以降は緩やかに横ばい〜やや減少する傾向がありますが、50代後半でも570万円台を維持しています。

年齢男性看護師の平均年収
20〜24歳3,980,100円
25〜29歳4,740,700円
30〜34歳5,200,400円
35〜39歳5,755,300円
40〜44歳6,052,600円
45〜49歳5,702,800円
50〜54歳5,781,800円
55〜59歳5,734,500円
60〜64歳4,797,700円
65〜69歳4,557,300円
70歳以上3,302,600円

出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」

4-3.他職種の男性平均年収との比較

男性看護師の年収は全職種の男性平均年収と比較すると、若い年代ほど高めの水準に位置しています。20代・30代では全体の男性平均よりも高収入となる傾向があり、看護師資格が早期から安定収入に結びつきやすい職業であることがうかがえます。

40代以降ではやや全体平均を下回りますが、医療現場で長く安定して働けるというメリットもあります。

年代男性看護師男性全体平均
20代3,980,100円3,540,000円
30代5,200,400円5,240,000円
40代6,052,600円6,325,000円
50代5,781,800円7,005,000円
60代4,797,700円5,145,000円

このように男性看護師は、女性看護師よりやや高い水準の収入を得ながら、全体の男性平均とも概ね近い年収水準です。

出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」
出典:国税庁「令和5年 民間給与実態統計調査結果」

5.男性看護師が年収を上げる5つの方法

男性看護師は、資格の取得やキャリアアップの工夫次第で年収を伸ばすことが可能です。ここでは主な年収アップの方法を5つ解説します。

5-1.専門資格で希少性が高い看護師に

特定分野に強みを持つ看護師は医療現場でも重宝され、資格手当などの形で収入に反映されやすくなります。

特に認定看護師・専門看護師といった上位資格は、高度な知識・技術を証明するもので、給与面だけでなく転職市場でも有利に働きます。

また、勤務先の特徴に応じた資格取得も有効です。たとえば介護施設であれば「介護福祉士」、精神科であれば「臨床心理士」などが挙げられます。

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5-2.現場を支える側から、マネジメントを担う立場へ

看護主任・看護師長・看護部長などの管理職に昇進すれば、役職手当が加算され、年収は大きく上昇します。

管理職では責任は重くなりますが、チーム運営や人材育成など幅広い視野が身につき、キャリア全体の成長にもつながります。

管理職には業務全体のマネジメントや人材育成、現場のトラブル対応など多くの責任が伴います。そのため、日頃から昇進を見据えて行動していくことが重要です。

具体的には、新人教育やリーダー業務に積極的に関わる、後輩からの相談に丁寧に応じる、業務改善の提案を行うなど、周囲から信頼される存在になることが求められます。また、患者のニーズを正確に捉え、常に質の高い看護を意識して提供する姿勢も評価対象です。

5-3.副業で収入の柱をもう1本作る

収入を増やす手段のひとつとして、本業と両立可能な副業に取り組むという選択肢があります。看護師資格や医療知識を活かせる仕事であれば、専門性を強みにしながら無理なく収入源を拡大することが可能です。

たとえば、医療系Webライターや記事監修、健康系メディアでの執筆業務などは、自宅でも取り組めるため時間の調整がしやすく、継続的な副収入につながることがあります。また、寝当直アルバイトや単発の訪問看護業務など、看護師としてのスキルを活かした副業も需要が高まっています。

ただし、副業を行う際は職場の就業規則を事前に確認し、申請が必要なケースや禁止されている場合がある点に注意が必要です。

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5-4.長く働き続ける

看護師は勤続年数に応じて昇給する仕組みが整っている職場が多いため、地道にキャリアを積み重ねることも安定した収入アップにつながります。

長く勤務することで職場内での信頼や評価が蓄積され、リーダー的な役割も任されやすくなります。

5-5.高待遇の職場に転職する

現在の職場で昇給ペースが緩やかだったり、収入が頭打ちになっている場合は、高待遇の職場への転職が収入アップの近道になることがあります。特に以下のような職場では、業務の専門性や負担に応じて給与水準が高めに設定されているケースが多くみられます。

  • 精神科病院:安全管理や患者対応に高度な対応力が求められ、夜勤も多いため手当が充実している傾向があります。
  • ICU(集中治療室):高度な看護技術と強い緊張感が求められる現場であるため、基本給や手当が高めに設定されています。
  • 美容外科クリニック:自由診療のため利益率が高く、インセンティブや報奨金制度が整っている場合が多いのが特徴です。
  • 透析クリニック:専門的な対応力が必要とされ、決まった業務が中心で残業が少なく、安定した高収入を得やすい職場です。
  • 大学病院:診療報酬の高い高度医療を担うことから給与体系が手厚く、教育機会やキャリア支援も充実しています。

また、大手グループ系のクリニックや法人運営の医療機関では、給与面だけでなく住宅手当・退職金制度・産休育休制度など福利厚生が整っていることが多く、長期的なキャリア形成にも有利です。

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6.男性看護師についてよくある質問

男性看護師として働くことを考えたとき、多くの方が感じる悩みや疑問があります。

ここでは、男性看護師についてよくある質問に回答します。

Q1.男性看護師はどのような悩みを抱えることが多いですか?

男性看護師は、看護現場でさまざまな悩みを抱えることがあります。たとえば、女性患者との関わりにおいては、清拭や更衣といった身体的ケアを拒まれることがあり、信頼関係の構築が難しく感じる場面があります。

また、産婦人科など一部の診療科では、患者のプライバシー保護や性別による制約から、男性看護師の配属が難しいことが多く、キャリアの選択肢が限定されるという課題もあります。

さらに、職場内では男性看護師の割合が少数であるため、同じ立場で共感し合える相談相手が見つけにくく、業務上の悩みや葛藤を1人で抱えてしまうことも少なくありません。このような状況は、孤立感を助長し、職場での満足度にも影響を与えることがあります。

Q2.男性看護師が職場でうまく働くコツはありますか?

男性看護師として職場でうまく働くには、性別にとらわれすぎず、柔軟な姿勢で臨むことが重要です。男女の役割を超えて、自分の強みを活かし協力することで、職場での価値を高めることができます。

また、看護の現場で重要な清潔感を保ち、髪型や服装を整えることで、患者や同僚に良い印象を与えることが大切です。

さらに、職場での噂話や陰口に巻き込まれないよう距離を保ち、人間関係を円滑に保つことも必要です。

そして、男性看護師が多い職場を選ぶと、精神的な支えや相談相手を得やすくなるため、より働きやすい環境が築けるでしょう。

これらのポイントを押さえることで、男性看護師として職場での成功を確立しやすくなります。

Q3.男性看護学生が就活時に確認すべきポイントはありますか?

男性看護学生が就職活動を行う際は、男性看護師が働きやすい環境かどうかを見極めることが大切です。

まず、その職場に在籍している男性看護師の人数や配属先を確認しましょう。男性看護師が多ければ相談しやすく、業務負担の偏りも少なくなります。

さらに、男性の管理職がいるかどうかも、将来のキャリアを考えるうえで参考になります。求人票だけではわからない部分も多いため、病院説明会や就業体験に積極的に参加し、実際の現場の雰囲気や男性看護師の受け入れ体制を直接確認することも重要です。

7.まとめ

男性看護師は年々増加し、活躍の場も着実に広がっています。整形外科や精神科、男性専門外来などでは、男性看護師ならではの強みが求められており、今後ますます重要な存在となっていくでしょう。

職場選びでは、男性看護師の在籍状況や受け入れ体制を事前に確認することが大切です。性別にとらわれず、周囲と協力しながら柔軟に働く姿勢を持つことで看護師として成長できます。

これから男性看護師を目指す方も、自信を持って新たな一歩を踏み出していきましょう。

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