看護師にも英語が必要な時代に!英語スキルを活かせる看護師の仕事11選
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日本の国際化が進むと同時に、医療現場において外国人患者が増えており、英語でのコミュニケーションが取れる医療従事者が必要とされるようになっています。
こうした状況から、英語力を身に付けたいと思う看護師は増えており、看護師として英語を使って仕事がしたい方や看護留学がしたいと考える方も増えています。
今回は、看護師が英語を身に付けることの重要性、そして英語を身に付けたことでより広がる活躍の場について解説します。
1.看護師にも英語が必要となってきている理由
国際化が進み、看護師にも英語が必要とされる機会は増えてきていますが、実際にどの程度需要が高まってきているのでしょうか。
本章では、看護師に英語が必要となってきている理由について解説します。
1-1.国際的な看護需要が高まっているため
現在、世界規模で人口が増え続けているだけでなく高齢化も進行しています。それに比例して、医療を必要とする方も増え続けています。
各国とも、自国で看護師を供給できれば問題ありませんが、難しい現実もあり、英語ができる看護師に対するニーズは高まっています。
英語ができる看護師は、世界的に転職しやすく、争奪戦の様相も呈しているのです。
1-2.外国人患者が増えている
日本では、外国人患者が年々増加しています。
厚生労働省の「令和4年度「医療機関における外国人患者の受入に係る実態調査」の結果」によると各都道府県が選出する「外国人患者を受入れる拠点的な医療機関」では、8割以上で外国人患者の受入れがあったと報告されました。
その理由としては、日本に住む外国人の増加やインバウンドによる観光客の増加、そして医療ツーリズムの増加の3つが挙げられるでしょう。
それぞれの理由について詳しく解説します。
【理由①】日本に住む外国人の増加
国際化が進んでいる日本では、日本にやって来る留学生をはじめ、日本国内で働く人や居住する外国人は増え続けています。
出入国在留管理庁「令和5年末現在における在留外国人数について」によると、令和5年末の在留外国人数は、341万992人(前年末比33万5,779人、10.9%増)で、過去最高を更新しています。
外国人の中には日本語ができる方もいますが、医療用語を使った会話は難しく、日本語学習はハードルが高いとも言われています。そのため、英語での対応を望む方が増えているのです。
【理由②】インバウンドなどによる外国人旅行者の増加

日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数(2024 年 9 月推計値)」によると、2024年に入り、訪日外客数は毎月250万人を超えています。その結果、訪日外客数は過去最高値で推移しており、年々増え続けていることがわかります。
今後もこの傾向は続くと考えられ、旅行中に体調不良などで日本国内の医療機関を訪れる外国人も比例して増えるでしょう。
その際、英語対応ができる看護師は非常に重宝されます。
【理由③】医療ツーリズムの需要増加
医療ツーリズムは、自国で医療を受けるのではなくより高い水準の国へ行き、治療や健診・検診などを受けることです。
日本の医療は、世界最高の平均寿命を実現しており、医療の水準も高くなっています。また、世界で類を見ないレベルのホスピタリティ精神や丁寧で適切な医療を受けることもできます。さらに、先進医療に対する研究も進んでおり、各診療科でトップクラスと言われる知識とスキルを兼ね備えた医師が在籍する病院も数多くあります。
これらの理由から日本の医療の需要は高くなっており、日本政府も本格的な取り組みを進めているため、今後、より訪日外国人の数が増えていくことが予測されます。
医療ツーリズムについて詳しく解説した記事はこちら▼
医療ツーリズムとは?外国人患者を受け入れた医療機関の対応方法
2.看護師が医療英語を身に付けるメリット
看護師が英語を身につけると言っても、単に日常会話が話せればいいわけではありません。日常会話だけでなく、医療英語と呼ばれる医療業界特有の専門用語や言い回しをマスターして初めて「英語で対応できる看護師」と名乗ることができます。
しかし、そこまでのレベルに達するには相当の努力が必要となります。ここでは、医療英語を身に付けることで得られるメリットを見ていきましょう。
2₋1.就職や転職に有利
大都市や観光地近くの医療機関では、先述の通り外国人患者の受け入れが増加しており、英語スキルのある人材を広く募集しています。日本語だけができる看護師よりも就職時・転職時に有利となり、高い待遇も期待できるでしょう。
また、国内のみならず海外も含め、働き方や職場の選択肢の幅が大きく広がり、より自分のライフスタイルやキャリアに合わせた働き方を選択しやすくなるでしょう。
2₋2.外国人患者の病状や気持ちを深く理解できる
英語と日本語では、病状などの表現や意味合いも大きく変わります。
例えば、「頭が痛い」という症状で診察に訪れた場合、日本語なら「ズキズキと脈打つように痛む」「重くて鈍い痛み」「締め付けられるような痛み」など豊富な比喩表現や擬態語があります。
一方で、英語にはそのような細かい表現はあまりなく、患者が訴える頭痛の表現にも大きな違いがあり、うまく汲み取ることが求められます。
文化や習慣が違う異国の地で怪我や病気になって不安を感じている患者に対し、理解を示し様々な説明ができるだけで患者の不安を解消することができるでしょう。
3.英語が話せる看護師が日本で活躍できる仕事11選
英語が話せる看護師にとって、活躍できるフィールドは大きく広がります。
本章では、具体的にどのような仕事ができるのか事例を挙げて解説します。
・外国人患者受入れ医療機関認証制度(JMIP)のある病院
外国人患者が安心して医療機関で診療を受けられるよう、一般社団法人日本医療教育財団が第三者の立場で評価しているのが「外国人患者受入れ医療機関認証制度」です。
この認証を受けている医療機関は、外国人が多く来院するため、外国人患者が安心・安全な医療を受けられる体制を整える必要があります。スタッフの語学力も重要となるため、英語が話せる看護師も活躍しやすいでしょう。
参照:一般社団法人日本医療教育財団「外国人患者受入れ医療機関認証制度」
・空港クリニック
空港クリニックの看護師は、旅行者や空港職員の急な発病やケガに対応するのが主な仕事です。風邪や腹痛などの一般的な症状から、旅行中の体調不良や怪我まで、幅広い患者に対応します。
また、災害発生時には、トリアージや救護活動を行うこともあります。国際色豊かな環境で、多様な文化を持つ人々と関わりながら、看護のスキルを発揮できます。
・インターナショナルクリニック
日本に旅行に来ている外国人の外来診察をしているのがインターナショナルクリニックです。日本語を話せない多様な国籍の患者に対応するため、語学力はもちろん、異文化理解も求められる仕事です。
一般的なクリニックと同様、診療の補助や患者への説明などを行いますが、言葉の壁を越えて、患者が安心して治療を受けられるよう、丁寧なコミュニケーションが特に重要になります。
また、海外旅行者など、緊急性の高いケースに対応することもあるでしょう。国際的な医療環境で、専門性を高めながら、グローバルな視点で患者と向き合えることが魅力の一つです。
・美容系のクリニック
海外からの患者も多く訪れ、多様なバックグラウンドを持つ方々の施術を担当します。
施術の説明やカウンセリングなど、医療に関する専門知識に加え、英語でのコミュニケーション能力が求められます。
また、美容に関する最新の知識や技術を習得し、患者の希望に沿った施術を提供することも重要です。国際的な環境で、美容医療の知識と語学力を活かして活躍したい方にとって、魅力的な仕事と言えるでしょう。
関連する記事はこちら▼
美容クリニックの看護師として働きたい方必見|仕事内容や給与などを徹底解説
・プリスクール(保育園)、インターナショナルスクール
プリスクールやインターナショナルスクールで働く看護師は、自分の体調などをきちんと伝えられない子どもたちの健康管理を担う重要な役割を担っています。
発熱やケガなど、子どもが日常的に起こす様々な健康問題に対応するだけでなく、予防接種や健康診断など、子どもたちの成長に合わせた保健指導も行います。
また、多様な国籍の教師や子どもたちと接するため、言葉の壁を越えてコミュニケーションを取り、安心して過ごせる環境作りも求められます。
子どもたちの笑顔のために、看護の知識と優しい心で、日々活躍しています。
・シップナース(船内看護師)
クルーズ船や貨物船など、船上で働く看護師です。
乗客や乗組員の健康管理が主な仕事で、急な病気や怪我への対応、健康診断、予防接種などを行います。船という限られた空間で、様々な国籍の人々と接するため、英語をはじめとする語学力はもちろん、文化への理解も求められます。
また、緊急事態にも対応できるよう、幅広い医療知識と臨機応変な対応力が不可欠です。世界を舞台に、看護の知識と語学力を活かして活躍したい方にとって、魅力的な仕事と言えるでしょう。
関連する記事はこちら▼
【希少なお仕事】クルーズ船の看護師「シップナース」 船上の仕事内容や働き方とは?
・ツアーナース(旅行添乗)
企業の団体旅行などに付き添い、旅行中に参加者が病気やケガをした際に、医療的なサポートを提供する看護師です。
また、旅行先の病院への同行、簡単な応急処置などを行います。多様な国籍の旅行者に対応するため、英語をはじめとする語学力はもちろん、異文化理解も求められます。
ツアーナースは、限られた時間の中で、冷静かつ的確に判断し、旅行者が安心して旅程を続けられるようサポートすることが重要です。
・イベントナース・スポーツナース
イベントナースは、コンサートやスポーツイベントなど、大勢の人が集まる場所で働く看護師です。熱中症やケガなど、イベント中に起こりうる様々なトラブルに備え、応急処置や健康相談を行います。
多様な人が集まるイベントでは、言葉の壁を越えてコミュニケーションを取ることが求められるため、英語をはじめとする語学力が役立ちます。
イベントの規模や内容によって仕事内容は異なりますが、臨機応変に対応できる能力と、多くの人を笑顔にするための心遣いが求められます。
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スポーツ好きの看護師集合!医療とアスリートをつなぐスポーツ看護師の魅力をご紹介
・テーマパーク
テーマパークで働く看護師は、来園者の健康管理が主な業務です。
アトラクション利用中の怪我、体調不良など、様々な状況に対応するための応急処置や健康相談を行います。
多くの来園者が訪れるため、笑顔で丁寧な対応が求められます。また、多様な国籍の来園者がいるため、英語をはじめとする語学力も必要となります。テーマパークの楽しい雰囲気の中で、看護の知識とコミュニケーション能力を活かして働きたい方におすすめです。
・治験関連、製薬会社での治験コーディネーター(CRC)
新しい医薬品の開発に携わる重要な役割を担います。治験に参加する患者の健康状態を管理し、安全性や有効性を評価するためのデータを収集・分析します。
国際共同治験の場合、治験データを電子的に入力し、収集することができるシステムであるEDCに英語で情報を入力する必要があります。また、検体を管理する際にも英語が必要となります。
英語をどの程度必要とするかは治験の種類によって異なるため、しっかりと英語を活かしたい方は事前に確認しておくことをおすすめします。
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治験コーディネーター(CRC)として働く看護師の仕事内容|口コミも紹介
・検疫官の看護師職
国際空港や港湾の検疫所で、入国者の健康状態を確認し、感染症の蔓延を防ぐための検査や隔離を行います。
多様な国籍の人々と接するため、英語をはじめとする語学力はもちろん、文化への理解も求められます。
また、緊急事態にも対応できるよう、幅広い医療知識と迅速な判断力も不可欠です。世界の人々の健康を守るやりがいのある職場だと言えるでしょう。
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空港看護師(エアポートナース)2種を紹介|検疫官と空港クリニックの仕事や給料を徹底解説
4.まとめ
以上、英語を使って働く看護師の需要や医療英語を身につけるメリット、活躍できるフィールドについて解説しました。
今後、日本の国際化が進んでいく中でますます英語の重要性は高まっていくと考えられます。
幅広いキャリアの選択肢のために、ぜひ英語スキルを磨いてみてはいかがでしょうか。
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