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看護師が取得したい介護福祉の民間資格12選!特徴・受験資格・費用などを解説

介護福祉の民間資格

看護師が介護福祉の分野において「スキルアップしたい」「もっと頼りになる存在になりたい」と感じる場合、資格取得を目指すことが選択肢の1つです。

本記事では、介護・福祉に関連する資格の中でも、看護業務に直結する知識が深まるだけでなく、高齢化が進む現代において求められる対応力も身に付く資格を12個厳選し、詳しく解説します。

1.   看護師がプラスで資格を取得するメリット

介護福祉分野において活躍したい看護師がプラスで資格を取ることには、下記のメリットがあります。

1-1.キャリアパスが広がる

看護師がプラスで資格を取ることで、キャリアパスの選択肢が広がります。例えば、ケアマネジャー(介護支援専門員)や高齢者ケアストレスカウンセラーの資格を取得すれば、介護施設でのキャリアが開け、生活支援にも深く関わることができます。

また、認知症ケア専門士を取得した場合、病院内で認知症ケアに特化した専門職としても活動できるようになり、今後のキャリアの選択肢の幅が広がります。

1-2.知識力・スキルの向上

資格を取得するための学習において、看護師免許だけでは得ることができない専門的な知識を学ぶことができます。例えば、終末期ケア専門士を取得すれば、終末期の患者とその家族を支えるための深い理解と技術が身につきます。

また、認知症ライフパートナーや認知症介助士では、認知症に関する幅広い知識を習得できるため、質の高い認知症ケアが可能になるでしょう。

1-3.自信とやりがい

資格を取得することで自分の成長を実感できるとともに、患者に寄り添える看護師としての自信に繋がります。

認知症予防レクインストラクターや高齢者傾聴スペシャリスト、シニアピアカウンセラーの資格を取得することで、科学的根拠に基づいた質の高いケアが可能になります。

そうした適切なケアを通じて感謝の気持ちを述べられた際は、より一層のやりがいを感じられるでしょう。

1-4.収入アップ

資格取得により、収入アップが見込まれるのも大きなメリットです。介護予防運動指導員や認知症ケア専門士、終末期ケア専門士などの資格を持つことで、資格手当が支給される可能性があります。

資格手当や基本給アップなど、給与改定の規定は勤務先で異なるため、事前に確認しておきましょう。

1-5.転職活動でのアピールポイントになる

看護師にプラスして関連資格を有することで、転職活動においてもアピールポイントになります。

例えば、認知症ケア指導管理士や音楽健康指導士などの資格があれば、介護施設や行政機関、地域支援団体など、転職先の選択肢が広がり、好条件の求人に応募しやすくなります。

さらに、配置基準で求められる資格を複数所持していると、より重宝されるでしょう。

2.   看護師のスキルアップに繋がる+αの資格4選

介護福祉の現場で行うレクレーションや実践スキルに関する資格を取得することで、高齢者の心身やライフステージの変化に合わせて対応することができ看護師としてのスキルアップに繋がります。

この章では、看護師のスキルアップに繋がる介護福祉に関する資格を紹介します。

2-1.レクリエーション介護士1級

レクリエーション介護士1級は、レクリエーション介護士2級取得者が受講することができ、利用者の要介護度や家族が抱える課題に対して、短期・長期的な視点でレクリエーションを計画・実施し、高齢者一人一人の状況にあわせたアレンジをすることが可能となります。

さらに、レクリエーションの意義を深く理解し、その重要性を他のスタッフや家族に伝えることができるようになります。

取得にあたっては、4日間の通学講座で「レクリエーションの意義」や「アレンジ方法」「自立支援計画」などを学び、実技試験では10分間の実演を行います。筆記試験では、所要時間2時間のうちに選択および記述問題(64~66問)と小論文(500文字程度)が出題されます。さらに、資格取得後には、3施設での現場実習も必要です。

資格取得にかかる時間は、講座受講に4日間、実技試験、筆記試験、実習を含めて、約1〜2ヶ月が目安です。費用は91,300円で、テキスト代や試験料が含まれています。

出典:日本アクティブコミュニティ協会「レクリエーション介護士1級ガイド」

2-2.認知症予防レクインストラクター®

認知症予防レクインストラクターは、認知症の発症予防や進行遅延を目的としたレクリエーションの提供に特化した資格です。認知症に関する基本的な知識や高齢者の心身の変化に対する理解をもとに、軽度から中等度の認知症を持つ方々に対する適切なレクリエーションの提供が可能です。

資格取得には、指定の認定教育機関でカリキュラムを履修し、JADP認定の介護レクインストラクター®を取得後、試験に合格する必要があります。試験は在宅受験が可能で、協会のウェブサイトから申し込むと試験問題が郵送され、得点率70%以上で合格となります。結果は答案受付後約1ヶ月で通知されます。受験料は5,600円です。

出典:日本能力開発推進協会 (JADP)「認知症予防レクインストラクター」

2-3.音楽健康指導士

音楽健康指導士は、音楽の力を活用して心身の健康を維持・向上させるスキルを習得できる資格です。

音楽レクリエーションを通じて、社会福祉施設や介護予防事業、民間フィールドなどで幅広く活躍できます。2級と準2級に分かれており、それぞれ学習内容や受講期間などが異なります。

資格名特徴受講形態受講期間費用試験
準2級音楽レクリエーションの基礎知識を習得し、教材を参考にしたセッションを実施可能ユーキャン通信講座による在宅学習標準3ヶ月(最長6ヶ月)34,000円在宅試験形式
2級オリジナルプログラムを作成し、目的に応じたセッションを計画・指導する能力を習得できる集合講座(準2級取得済みは2日間、未取得は3日間)教材到着から最大12ヶ月・準2級取得者:69,400円
・準2級未取得者:103,400円
集合講座後に実技試験(準2級取得者は免除)

出典:日本音楽健康協会「音楽健康指導士養成講座のご案内」

2-4.終末期ケア専門士

終末期ケア専門士は、患者や利用者の最期を支える専門知識と実践スキルを備えた資格です。医療・介護現場での多職種連携を見据え、終末期に特化したケアを提供できることを目指します。

看護師だけでなく、医師、薬剤師、歯科衛生士など医療に関連する職種が対象となり、2年以上の実務経験が受験資格として求められます。

公式テキストやWEB講習会を活用した自主学習が主で、試験では公式テキストと時事問題に基づいた内容が出題されます。試験の方法は、会場でパソコン試験(CBT試験)が行われます。

資格取得にかかる費用は、受験料として11,000円です。

出典:日本終末期ケア協会「終末期ケア専門士とは」

3.   高齢者の生活を支える資格4選

介護施設や訪問介護など、さまざまな場で役立つ資格もあります。介護福祉の現場で高齢者の生活を支える資格を紹介します。

3-1.ケアマネジャー(介護支援専門員)

介護支援専門員(ケアマネジャー)は、介護保険法に基づく専門職で、要介護者や要支援者とその家族が適切な介護サービスを受けられるよう支援を行います。

利用者の希望や心身の状況を考慮し、在宅や施設で必要なサービスが受けられるようにケアプランを作成したり、市区町村やサービス事業者などと連絡調整を担ったりします。

受験資格は保健、福祉、医療分野で原則として5年間以上かつ900日以上の実務経験を有することです。受験手数料に関しては、各都道府県で異なるので確認する必要があります。

出典:厚生労働省「介護支援専門員/ケアマネジャー」
出典:社会福祉振興・試験センター「介護支援専門員(試験問題作成)」

3-2.介護予防運動指導員

介護予防運動指導員は、高齢者の運動能力向上を目的に、安全かつ効果的な運動プログラムを提供し、高齢者の自立支援や生活の質の向上を支える専門資格です。

看護師や歯科衛生士、介護支援専門員といった医療・福祉の専門職の保持者や指定の研修修了者で実務経験が2年以上の者などが対象となっています。また、資格取得を目指して養成校で学ぶ学生も受講可能です。

受講料やテキスト代、修了証発行料については、講習会を実施する指定事業者によって異なりますが、9万円前後が目安とされています。

出典:東京都健康長寿医療センター研究所「介護予防運動指導員養成事業について」

3-3.高齢者ケアストレスカウンセラー

高齢者ケアストレスカウンセラーは、現代社会で増加するメンタル疾患への対応を目的に、基礎知識とスキルを身につけるための資格です。メンタル疾患の予防や精神的に不調をきたしている人々へのケアを行い、心の健康を支える役割を果たします。

試験は公式テキストおよび一般常識に基づいた内容から出題され、試験時間は60分、合格基準は正答率70%以上です。受験資格は18歳以上かつケアストレスカウンセラー資格を取得していることです。ただし、ケアストレスカウンセラー資格との併願受験ができます。

受験費用は12,000円で、合格後に認定登録を希望する場合は別途5,000円が必要です。

出典:職業技能振興会「ケアストレスカウンセラー(青少年・高齢者・企業中間管理職)」

3-4.シニアピアカウンセラー(高齢者傾聴スペシャリスト)

シニアピアカウンセラーは、施設や自宅などで生活する高齢者の元に赴き、日常での悩みや相談を聴くことで、心的ケアを行うための資格です。

「受容」「傾聴」「共感」の3つの基本スキルによるカウンセリング技術を学び、高齢者の気持ちに寄り添う声掛けを行えるようになります。また、このカウンセリング技法により、信頼関係を築き、安心感を与えることにつながります。

似たような資格に高齢者傾聴スペシャリストやJADP認定シニアピアカウンセラー® もあります。

講座修了後は、講座で使用したテキストを見ながらの在宅受験が認められています。試験内容は傾聴の理論や基本技術、実践的な知識が中心で、70%以上の得点率で合格できます。

受講費用は68,800円(税込)、受験料は5,600円(税込)です。

出典:資格のキャリカレ「シニアピアカウンセラーとは?」

4.   認知症ケアのスキルアップ資格4選

認知症ケアには、基礎的な介護スキルに加えて、認知症における知識と深い理解が必要です。認知症ケアのスキルアップに繋がる資格を紹介します。

4-1.認知症ケア指導管理士

認知症ケア指導管理士は、認知症の方への理解を深め、適切な支援を行うための専門知識と実践的スキルを身につける資格です。認知症患者の生活の質向上に寄与することを目的としており、初級・上級の2段階に分かれています。

初級資格は、高校生以上であれば誰でも受験できます。試験問題は公式テキストから出題され、合格基準は総得点の70%以上です(難易度に応じた補正あり)。受験料は一般7,500円、学生は4,000円です。

初級資格を取得した後は、上級資格を目指すことも可能です。上級資格は、認知症ケアの高度な専門知識を身につけ、他のスタッフへの指導・育成を行う指導者としてのスキルを培うことを目的としています。資格取得後は、医療や福祉の現場でのキャリアアップが期待されます。

一次試験合格者のみが二次試験を受験できます。試験費用は一次試験が12,000円、二次試験が6,000円です。

出典:職業技能振興会「認知症ケア指導管理士(初級)認定試験」
出典:職業技能振興会「上級認知症ケア指導管理士認定試験」

4-2.認知症ケア専門士

認知症ケア専門士は、認知症に関する高度な知識と技能を有し、介護や医療の現場で認知症ケアを実践する専門人材を育成する資格です。認知症ケア専門士の試験は、認知症ケアの実務経験を3年以上有する者が受験できます。

認知症ケア専門士〈1次試験・2次試験〉

【1次試験】
「認知症ケアの基礎」「認知症ケアの実際Ⅰ:総論」「認知症ケアの実際Ⅱ:各論」「認知症ケアにおける社会資源」の4分野に分かれており、合格基準は各分野で70%以上です。

試験費用は1分野あたり3,000円、全4分野を受験する場合は合計12,000円となります。合格できた分野は5年間合格が認められるため、次試験では残りの分野のみ受験することができます。

【2次試験】
事例を基にした3つの論述問題が出題されます。
ここでは、認知症ケアの具体的な状況に対する判断力や、実際にどのようにケアを提供するかを文章で表現する能力が求められます。試験費用は8,000円です。

また、認知症ケア専門士を取得後、「専門士としての経験が3年以上」「認知症ケア上級専門士研修会を修了していること」などの要件をクリアすると、上級認定ケア専門士への受験資格を得ることができます。

上級認知症ケア専門士は、指導者としての責務を担い、チームリーダーや教育担当者としてケア従事者を育成し、職場全体のケアの質を向上させることを目的としています。上級認知症ケア専門士の受験料は10,000円です。

出典:日本認知症ケア学会「認知症ケア専門士認定試験」
出典:認知症ケア専門士公式サイト「認知症ケア上級専門士」

4-3.認知症ライフパートナー

認知症ライフパートナーは、認知症の方々がその人らしく日常生活を送れるよう支援する専門職です。認知症の方の過去の生活経験や価値観を尊重しながら、適切なケアを提供します。

日常生活におけるコミュニケーションが難しい場面でも、傾聴技術や回想法を駆使し、音楽や園芸などのアクティビティを活用することで、本人の楽しみや生きがいを引き出します。

認知症ライフパートナーには1級・2級・3級があります。

認知症ライフパートナー〈1級・2級・3級〉

【3級検定試験
学歴や年齢、国籍を問わず誰でも受験可能で、受験料は6,500円です。合格基準は100点満点中70点以上です。

【2級検定試験】
受験資格に制限がありません。受験料は10,500円で、3級より一歩進んだ知識とスキルが求められます。この試験も100点満点中70点以上が合格基準です。

【1級検定試験】
2級合格者のみが受験できます。受験料は15,000円です。出題内容は公式テキストに準拠しますが、一部テキスト外の問題も含まれるため、幅広い知識と実践的な能力が必要です。

出典:日本認知症コミュニケーション協議会「検定試験:検定概要」

4-4.認知症介助士

認知症介助士は、認知症についての基本的な知識と適切な対応方法を学び、家庭や職場、地域社会において認知症の方を支援するスキルを身につける資格です。

認知症の症状や行動の特徴を理解し、コミュニケーション技術を活用して認知症の方に寄り添いながら支援を行うことを目的としています。

認知症介助士の試験は、受験資格に制限がなく、学歴、年齢、性別、国籍を問わず、誰でも受験可能です。自身のスケジュールや学習スタイルに合わせて、4つの方法から受験方法を選ぶことができます。

受験方法概要受験料
認知症介助セミナー(検定試験付き)セミナー受講後に検定試験も同日に受験可能テキスト込み:19,800円 テキスト持参:16,500円
共育センターでの検定試験東京や大阪の共育センターで指定された日時に集合して受験3,300円
全国のCBTセンターでの検定試験全国のCBT試験会場でパソコンを使用して選択式試験を受験3,300円
インターネット経由でのIBT試験インターネット環境があれば自宅など好きな場所で受験3,300円

出典:日本ケアフィット共育機構「認知症介助士資格とは?」

5. まとめ

看護師が介護福祉関連の民間資格を取得することには、キャリアパスが広がる、知識力・スキルの向上、収入アップ、転職活動でのアピールポイントになるなど、さまざまなメリットがあります。今回ご紹介した12の資格は、高齢化が進む現代において、より専門的で効果的なケアを提供するために役立つものばかりです。

それぞれ受験方法や学習スタイルが異なるため、ライフスタイルや目的に合わせて選択してください。看護師としての可能性を広げるため、ぜひこれらの資格取得を検討してみてください。

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