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看護師が効果的に英語を勉強する方法とは?メリットやおすすめの資格なども解説

看護師の英語学習方法

グローバル化が進むにつれて、外国人が日本の医療機関を利用するケースも増えています。

その際、看護師をはじめとする医療従事者が英語でコミュニケーションを取れれば、適切な処置を提供しやすくなります。

実際に、看護師として働いている方のなかにも英語の必要性を感じて、英語力をアップさせたいと考えている方もいらっしゃるでしょう。

そこで今回は、看護師が英語を身に着けるメリットや効果的な英語の勉強方法、おすすめの資格などを解説します。

1.看護師が英語を身に着けるメリット

「日本の医療機関で働くなら、看護師が英語を話せてもそれほどメリットがないのでは?」

と考える方もいるでしょう。

しかし、世界共通語とも呼ばれる英語を話せれば、看護師の方にもさまざまなメリットがあります。

ここでは、看護師が英語を話すメリットについて、詳しく解説します。

1-1.外国人患者が増えている

グローバル化が進んでいる昨今では、観光や仕事などで日本に来たり、居住したりする外国人が増加しています。

実際に、日本政府観光局(JNTO)によると、2024年1~10月の訪日外国人数(推計値)は、2019年より12.2%増加して約3,019万2600人となっており、1964年の統計開始から最速で年間累計訪日外国人数が3,000万人を突破しました。

日本に来る外国人数の増加に伴い、日本の医療機関を利用する外国人も増えているのです。

そのため、看護師が英語を話せれば、日本語がわからない外国人に対してスムーズに対応できます

参考:日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数(2024 年 10 月推計値)」

1-2.細かなニュアンスの違いを理解し、安全性の高い看護を提供できる

看護師が英語を話せなくても、ジェスチャーでコミュニケーションを取って対応することは可能です。

また、医療機関によっては、医療通訳者を配置したり、外国人対応ができるタブレットやスマートフォンを配置したりしているところもあります。

しかし、ジェスチャーや医療通訳者を介す、タブレットやスマホを使うといった方法で大まかな意思疎通はできても、細かなニュアンスを伝えるのはむずかしいといえるでしょう。

安全性が高く、患者が安心できる看護を提供するためにも、看護師が英語を話せることはメリットとなるのです。

1-3.キャリアアップや昇給につながる

英語を使いこなせる看護師がいれば、外国人患者が来院したときに優先的に対応を任せてもらえるようになります。

ほかの看護師にはないスキルがあるということは、医療現場とって欠かせない人材となれるため、昇給・昇格をしやすくなるでしょう。

また、英語をスムーズに話せれば言語の壁がなくなるため、海外の医療機関で働くなど、自由な選択をしやすくなることもメリットです。

2.【目的別】看護師に必要な英語レベル

看護師が英語を学ぶことはさまざまなメリットがあるとはいえ、具体的にどのような英語レベルを目指せばよいのでしょうか。

看護師に必要な英語レベルは、どのような目的なのかによって変わります。

ここでは、看護師が英語を学ぶ目的と、目的に対して必要な英語レベルについて解説します。

目的1:外国人患者に英語で看護を提供したい

外国人患者に対して、英語で看護を提供したいという目的で英語を学ぶ場合、日常会話や医療関連の英語を習得して、スムーズにコミュニケーションを取れる英語レベルが求められます。

たとえば、受付や問診、薬の説明、病状のヒアリングなどが可能な英語力が必要です。

具体的には、医療用語や基本的なフレーズの習得、患者との円滑なコミュニケーションが取れる英語力のほか、診察や治療、緊急時に対応できるレベルの英語力などが挙げられます。

【英語資格の目標レベル】

・CEFR:B1+~B2
・実用英語技能検定:準1級
・IELTS:5.5~6.5
・TOELC:600~750点

目的2:海外留学がしたい                      

看護留学を目的として英語を学ぶときは、ハイレベルな英語力が必要です。

看護留学とは、看護師や看護師を目指す人が海外留学を行うことの総称です。世界で活躍できる国際看護師を目指したい、高度や技術を習得したい、文化や宗教の違いを学びたいなど、さまざまな目的・目標を持って看護留学が行われています。

看護留学では、日常会話に加えて、医療分野の専門用語を英語で表現できる、講義やディスカッションに英語で参加できる、海外の医療現場で正確に意思疎通できるといった英語力が必要です。

【英語資格の目標レベル(海外留学)】

・CEFR:B1+
・実用英語技能検定:準1級
・IELTS:5.5~6.0
・TOELC:600~700点
・TOEFL iBT:60~80点

看護留学をきっかけに、海外で働く国際看護師として働くことも可能です。国際看護師として活動するためには、日常業務に加え、緊急時の対応においても英語でしっかりとコミュニケーションを取れるようになる必要があります。

また、働く国によって日本の看護師資格や経験のみでは難しく、再度その国の看護師資格を取らなければならない場合もあるため確認しておくことが大切です。

【英語資格の目標レベル(国際看護師)】

・CEFR:B2+~C1
・実用英語技能検定:準1級
・IELTS:7.0~7.5
・TOEFL iBT:90~100点以上
・OET(医療従事者向け英語試験):合格

各章で記載しました英語資格や検定試験の英語レベルについては以下の資料が参考になります。

参考:文部科学省「各資格・検定試験とCEFRとの対照表

3.看護師が現場で活かせる英語力を習得する方法

看護師がいざ英語を勉強しようとしても、

「そもそも何から始めたらいいのかわからない」

「日々の業務と並行して、効率的に英語を学ぶ方法を知りたい」と悩む方も多いでしょう。

ここでは、忙しい看護師が効率的に英語を習得する方法について解説します。

ステップ1:英語を学ぶ目的を明確にする

まずは英語を学ぶ目的を明確にしましょう。

先に解説したとおり、どのような目的で英語を学ぶのかによって、求められる英語レベルやスキルが変わります。

たとえば、看護留学をする場合、英語で医療用語を覚える、講義やディスカッションに英語で参加できるといったスキルが必要で、CEFRでB1+以上のスコアが目安となります。

明確なゴールがあれば、必要な英語力や単語、スキルが明確になり、効率的に学習を進められるようになるため、まずは目的を決めましょう。

仮に、目標を決めないままむやみに英語を勉強した場合、必要な学習に絞って行うことができる非効率的になる可能性があります。そのため、成長を感じにくくモチベーションを維持しにくくなる可能性があり、あまりおすすめではありません。

ステップ2:毎日英語に触れる

目的を決めたら、毎日英語に触れるようにするのが次のステップです。

毎日5分などの短時間でも英語に触れる時間を作ることで、英語に触れることが習慣となり、勉強が苦ではなくなります。

毎日机に向かうのがむずかしければ、通勤中にラジオで英語を聞く、スマホやパソコンの言語を英語に設定する、勤務先で扱う物品を英語にしてみるなど、隙間時間で英語に触れるよう工夫してみてください。

ステップ3:中1レベルの英語を身に着ける

英語に触れることを習慣化できれば、基礎を固めるために中1レベルの英語習得を目指してみてください。

看護師が英語を学ぶうえで、医療用語など専門的な英語を勉強することも大切ですが、基本的な単語や文法が理解できていなければ効率よく学習を進められません。

そこで、英語の基礎となる中1レベルの英語を身に着けることから始めるのがおすすめです。

【中1レベルの英語で使えるフレーズ】

・Hi, How are you? 
(こんにちは、体調はいかがですか?)

・Where does it hurt?
(どこが痛みますか?)

・Do you take any medication?
(何か薬を飲んでいますか?)

・Do you have a fever?
(熱はありますか?)

・Please breathe slowly.
(ゆっくりと呼吸してください。)

・Please wait here.
(ここでお待ちください。)

・please take care of yourself. 
(お大事にしてください。)

ステップ4:積極的にアウトプットを行う

医療に特化した単語やフレーズをたくさん覚えている、正しい文法を理解できているといったようにインプットがきちんとできていても、アウトプットの練習を行わなければ実践的な英語を習得できません。

とくに看護師が英語を使うときは、患者と話す、報告書を書くなどアウトプットを必要とするシーンが多くあります。

英語を通して質の高い看護を提供するためにも、医療英語を扱う英会話レッスンを行うなどしてアウトプット力を磨いていきましょう。

ただし、看護師の仕事は忙しく、シフト制で夜勤もあるため、決まった曜日・時間に英会話スクールに通うのはむずかしい事もあるでしょう。その場合、スケジュールを調整しやすいオンライン英会話レッスンや英会話カフェなどを利用するのがおすすめです。

ステップ5:医療に特化した単語やフレーズを覚える

英会話を習得し、日常的なコミュニケーションが取れるようになったら、医療に特化した単語やフレーズを覚えていきましょう。

診療科や医療器具の名前、診察の際に症状を伝えるための英語などが挙げられます。

学生時代の英語の授業では学ぶことのなかった専門的な用語・フレーズが中心となるため、難易度が高いと感じられるかもしれません。

しかし、英語の基礎がきちんと習得できていれば、効率よく英語力を伸ばせます。

そのため、看護師が英語を学ぶときは、いきなり医療英語から学ぶのではなく、英語の基礎や日常的な英会話を習得することを意識しましょう。

【病院で使える英語フレーズ集】

・What brought you here today? もしくは What can I do for you today?
(今日はどうされましたか?)

・When did the headache start?
(頭痛が始まったのはいつですか?)
→「headache」を他の症状に変更し、その症状に関する質問に応用できます。

・I’m going to take your temperature.
(体温を測ります。)
→ 「temperature」をpulse(脈拍)/ blood pressure(血圧)に変更もできます。

・Please take care.
(お大事になさってください。)

参考:役立つ医療英語単語(外務省提供資料)

4.医療現場で生かせる英語力を証明する資格

看護師が英語を学ぶ際、関連する資格を取得することで、英語力を証明できたり、キャリアアップにつながりやすくなったりします。

ここでは、医療現場で生かせる英語力を証明する資格を紹介します。

4-1.日本医学英語検定試験(医英検)

「日本医学英語検定試験(医英検)」は、日本医学英語教育学会が主催する医学・医療に特化した英語検定試験です。「医学英語」を冠した検定試験は世界的に珍しく、取得することで医学英語能力を証明できます。

医師や看護師など医療従事者や医療系学生をはじめ、教育や出版、通訳、翻訳などの多様な業界の関係者を受験者層として想定していることが特徴です。

日本医学英語検定試験は1~4級までの4段階にレベル分けがされており、各級の英語レベルは以下のとおりです。

エキスパート級(1級) 医学英語教育を行えるレベル
(プロフェッショナル級[2級]受験者を指導できるレベル)
プロフェッショナル級
(2級)
英語での論文執筆・学会発表・討論を行えるレベル
応用級(3級)英語で医療に従事できるレベル
(医師・看護師・医療従事者,通訳・翻訳者,等)
基礎級(4級)基礎的な医学英語運用能力を有するレベル
(医科大学・医療系大学在学あるいは卒業程度)

参考:日本医学英語教育学会「日本医学英語検定試験「医英検」とは

4-2.医療英語認定試験(CBMS)

「医療英語認定試験(CBMS)」は、一般財団法人グローバルヘルスケア財団が認定している資格であり、医療現場で役立つ英語力を習得するための試験です。

医療英語認定試験(CBMS)は2つのレベルがあり、それぞれの難易度の目安は以下のとおりです。

入門(CBMS Basic)医療英語初心者を対象とした認定試験(誰でも受験可能)
上級(CBMS Advanced)より専門的な医療英語に挑戦する上級者を対象にした認定試験(TOEIC600点以上が受験の目安)

合否判定はなく、スコアによって英語レベルを算出する方式であり、オンラインで受験できることがポイントです。

参考:一般財団法人 グローバルヘルスケア財団 「国際医療英語​認定試験™

4-3.TOPEC 看護英語試験

プロフェッショナル イングリッシュ コミュニケーション協会(IPEC)が運営管理を行っている「TOPEC™ 看護英語試験」は、看護分野において求められる英語のコミュニケーション能力や専門用語・知識を測る試験になります。

レベルや級といった設定はなく、試験結果は試験の約1カ月半後に「スコアレポート」で通知されます。スコアレポートには総合点と各セクションの点数が記載されており、スコアによって合否が判断されます。

試験に合格すると、外国人患者に対応できる基礎的な英語力があることを証明できます。

参考:プロフェッショナルイングリッシュコミュニケーション協会「TOPEC™看護英語試験

4-4.医療者向け英語試験OET

「OET」とはOccupational English Testの略称であり、英語を母国語としていない医療従事者が、海外の医療機関で働ける英語力があるのかを測ることを目的とした試験です。アメリカやイギリス、アイルランド、オーストラリアなどの医療機関で、英語力の証明に用いられています。

一定のスコアを取得できれば、OETを導入している国で看護師として働ける可能性があるため、海外の医療機関で看護師として働きたいと考えている方は取得を検討してみてください。

参考:OET「OETについて

5.看護師が英語を学ぶときのおすすめの学習環境

看護師はシフト制での勤務が基本であり、さらに夜勤が必要なこともあるため、英語学習に充てられる時間が限られている方も多いでしょう。

そのため、多忙ななかでも効率的に英語を習得するために、学習環境を整えることが大切です。

ここでは、看護師が英語を学ぶときのおすすめの英語環境を紹介します。


5-1.医療・看護英語対応の英会話スクールに通う

看護師は効率的に英語を勉強するために、医療・看護対応の英会話スクールに通うのがおすすめです。

医療・看護対応の英会話スクールは、看護師特有の勤務形態に合わせて受講できる環境を整えているところが多いことに加え、専門的な医療英語に特化した指導を実施している点も魅力です。

とくに、オンライン英会話は場所や時間を問わず受講できるため、忙しい方でも英語学習を習慣化しやすいといえるでしょう。

5-2.看護留学に行く

看護留学とは、看護師や看護師を目指す人が海外留学を行うことの総称です。

なかでも、海外正看護師資格取得留学は、海外での看護師資格を取得し、現地就職や永住権の取得などを目指すものです。

看護師は国家資格であり、国ごとに異なる条件・制度が採用されているため、海外で看護師として働くためには、対象のエリアの定める条件や資格を満たす必要があります。

そのため、看護師として海外で働きたい方は、海外正看護師資格取得留学を検討しましょう。

なお、英語力に対する不安などから海外正看護師資格取得留学はハードルが高いと感じている方は、アシスタントナース(看護助手)として働きながら英語研修や医療知識を得ることができるインターシップに参加するのもおすすめです。

6.まとめ

今回は、看護師が英語を習得するメリットや効率的な学習方法について解説しました。

看護師が英語を学ぶ目的は様々ですが、目的に必要な英語レベルを確認し、現場で活かせる英語を段階的に学んでいくことが効率的です。また、医療現場での英語のコミュニケーション能力や専門用語・知識を持つことを証明できる資格も多くあります。

グローバル化が進んでいる昨今では、看護師が英語を取得することはキャリアアップの可能性が広がるなど様々なメリットがありますので、ぜひ今回の記事を参考し、看護師とし目的に合わせた英語を習得するようチャレンジしてみてください。

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