看護師の入職準備ガイド|内定から入職までの流れ、当日のポイントを一挙大公開!
就職・転職が決まり、新しい職場から正式な内定通知が来た段階で看護師の入職準備は始まります。しかし、いざ入職準備について調べてみると、対応すべき書類の多さや、準備すべきことの多さに驚く方も多いかと思います。
そこでこの記事では、看護師の皆さんが安心して新しい職場で働き始められるよう、入職において準備が必要な書類や持ち物、注意点などの解説をしていきます。
さらに、職場の方たちとより良い関係性を築いていくために重要な、入職初日の印象作りのポイントも併せて紹介します。
1.看護師の内定から入職までの流れ
病院やクリニックから内定をもらってから実際に入職するまで、内定者にはさまざまな準備が必要になります。
基本は応募先と直接やりとりしますが、転職エージェントを利用している場合は、エージェント経由でのやり取りになることもあります。
時系列にそって、どのような行動が必要になるか確認していきましょう。
1-1.内定通知と勤務条件(雇用条件)の確認
内定通知は最終面接から2週間以内を目安に、一般的にはメールで送られてきます。送られてきたメールが迷惑メールフォルダに入ってしまう可能性もあるので、しっかりと確認するようにしましょう。
内定通知とともに、勤務条件について記された書類などが郵送またはメールで届きます。
勤務条件について記された書類を確認する際は、応募時と変わっているところがないか見ることが大切です。小さなことでも疑問に思ったことは先方に確認するとよいでしょう。
内定先に入職するための準備はここから始まります。
1-2.内定通知に対する返答・内定承諾書などの返送
勤務条件を確認し、問題がなければ内定承諾書や雇用契約書などの必要書類に記入し、期限までに返答や書類の返送が必要です。
内定の承諾には、1週間ほどの回答期限が設けられていることがほとんどです。人材を急募している場合や中途採用などの場合は回答期限が短いこともあるので注意してください。
1-3.離職期間がある場合に必要な手続き
離職期間とは、前の職場を退職して新しい職場に入職するまでの、病院や企業に勤めていない期間のことです。前の職場を退職した翌日から新しい職場で働き出す場合は、必要書類を提出すれば転職先の担当者がさまざまな手続きを代行してくれます。
一方で離職期間がある場合や入職まで期間がある場合は、以下のような手続きを自分で行う必要があります。
・失業保険の申請手続き
・健康保険の切り替え手続き
・年金の切り替え手続き
・住民税の支払い
・確定申告
・失業保険の申請
これは求職中のものですが、就職意欲があるものの、就職先が決まっていない場合にはハローワークに離職票を持参して、失業保険を受け取るための申請をします。
・健康保険の切り替え
前職の健康保険から国民健康保険への切り替えや、家族の扶養に入る手続きが必要です。任意継続といって、前の職場の健康保険に2年間まで入り続けることはできますが、前の職場が負担してくれていた金額を自分で払うことになるので、月々の保険料が2倍になります。
・年金の切り替え
離職すれば厚生年金に加入できなくなるので、国民年金へ切り替える手続きか、配偶者の扶養になる手続きが必要です。
・住民税の支払い
退職するタイミングによって、住民税の支払いや手続きが異なります。
1月1日~5月31日までに退職した場合は、5月までの住民税が退職月の給与や退職金から一括徴収されますが、一括徴収できなかった場合は普通徴収(自分で支払うこと)になり、納付書で支払いを行います。
また、6月1日~12月31日に退職した場合は、退職月の住民税については、給与から控除されます。基本的には退職翌月以降の住民税は普通徴収になりますが、希望をすれば退職時に翌年5月までの住民税を一括徴収することもできます。
・確定申告(年末までに再就職しない場合)
病院やクリニックに勤めていれば年末調整があるので、自身で確定申告をする必要はありません。しかし、離職すると年末調整がしてもらえないので、たとえ離職後に働いておらず収入がなかった場合でも自身で確定申告をしなければなりません。離職期間があっても年末までに再就職すれば年末調整があるので、確定申告は不要です。
離職期間がある場合の詳しい手続きを知りたい方はこちら▼
看護師の退職手続きのはじめ方!事前準備~退職後に必要な手続きまで解説
2.【入職前確認】必要な手続きや書類などの準備すべきアイテムとは?
入職のためには、内定承諾書の返送だけでなく、さまざまな書類の準備や手続きが必要になります。基本的に必要となる書類や手続きはある程度決まっていますので、早めに確認し、準備しておくことをおすすめします。
2-1.入職の際に必要になる書類
入職にあたって必要なものには、前の職場を退職した際に手元に届くものや、新卒ではまだ手にしていないものなどさまざまです。ここでは、入職の際に必要な書類の概要を詳しくみていきましょう。
【必要となる書類】
・看護師の免許証のコピー
看護師として働くためには国家資格が必要です。看護師免許のコピーは、その証明のために用いられます。看護師免許は、結婚や離婚により本籍地や氏名が変わった場合には、変更があった日から原則30日以内に更新の手続きを行う必要があります。更新手続き後に新たな看護師免許証が届くまでには3か月ほどかかるのが一般的です。本籍地や氏名の変更が決まった段階で早めに準備するようにしてください。
・マイナンバーカード(年金手帳/基礎年金番号通知書)
マイナンバーカードは税金や保険の手続きに必要となります。原本を渡すのではなく、持参して番号を控えてもらうか、コピーを提出することになります。
・源泉徴収票(転職先で年末調整が必要な場合)
源泉徴収票は新卒ではなく、転職で新たな病院やクリニックに入職し、入職した先で年末調整をしてほしい場合に必要な書類です。年末調整は年末の時点で在籍している職場で行うものなので、職場の経理担当などが前職での収入を知るために必要なものとなります。通常は退職後に元の職場から1か月ほどで自宅に送られてきますが、期間をおいても送られてこない場合には問い合わせるとよいでしょう。
・雇用保険被保険者証
勤務する際には雇用保険に加入します。新卒であれば入職先で新たに交付されるので提出書類には該当しません。転職して入職する場合、雇用保険の被保険者番号は引き継がれるため、提出が必要です。
雇用保険被保険者証は職場に預けるケースもあるので、その場合は退職時に忘れずに返却してもらいましょう。
・年金手帳や基礎年金番号が確認できる書類
入職先で国民年金や厚生年金保険に加入するために必要となります。年金手帳は2022年4月以降に国民年金や厚生年金保険に初めて加入した場合には発行されず、番号が分かる「基礎年金番号通知書」が交付されます。
・健康保険被扶養者(異動)届(扶養家族がいる場合のみ必要)
新卒・転職に関わらず、自身が扶養する家族がいる場合に必要な書類です。
健康保険被扶養者(異動)届は、入職先で新たに健康保険に加入する際、家族を被扶養者にするために提出する必要があります。
【入職先によっては提出が必要になる書類】
・健康診断書
すべての企業は入職者に対して入職前後に健康診断を受けさせることが義務づけられています。入職後に健康診断の案内がある場合が多いですが、入職前に自身で受けておく必要があることもあります。
・誓約書
病院やクリニックで定められている就業規則や守秘義務を守ること誓う書類です。病院やクリニックでは、患者の保険証や疾患などの個人情報や他では話さない悩みなどの個人情報が多くあります。
誓約書には、職場に在籍している時だけではなく、退職した後もそのような個人情報の守秘義務を遵守することを含んでいる場合もあります。
・住民票の写し(または住民票記載事項証明書)
住民票は、住所だけでなく氏名や性別、年齢の証明書となります。勤務先は従業員の名簿を作る義務があるので提出が求められることがあります。近年では、住民票に記載される項目のうち、必要な部分だけを記載した「住民票記載事項証明書」でも問題ないケースが増えています。
・退職証明書
前の職場を退職したことを証明するものです。履歴書の経歴などと相違ないかを確認する目的で提出が必要なことがあります。前職を退職した際に必ず発行されるものではないので、必要な際は前の職場に発行を依頼しましょう。
この他にも、給与の振り込み先を知らせるための書類や、会社が支給している手当の計算のために、定期代や引っ越し代の領収書の提出が必要になることがあります。
2-2.勤務に必要なアイテム
看護師として病院やクリニックで働く上では白衣やナースシューズなど、必ず使用するものがあります。入職先によっては必要備品について貸与してくれることがあります。白衣・ナース服の貸与がある場合は前もってサイズの申告を書類で行ったり、入職前に職場で採寸の日が設けられていたりします。
職場で支給されないものでも持っておくと業務が円滑に進むアイテムもあります。
・聴診器
・メモ帳、ペン
・ナースウォッチ
・電卓付き滴下タイマー
・白衣用ペンケース
・ハサミ(刃先カバー・クリップつき)
・ペンライト
腕時計は衛生面を理由に禁止のことがありますし、ペンケースなしに直接ペンをポケットに挟むとキャップの閉め忘れなどで白衣を汚してしまうことがあります。必要に応じて、ナースグッズを揃えるようにしましょう。
必須アイテム以外にも、看護師さんにインタビューして聞いた便利なアイテムをインスタでも紹介しているでぷ!ぜひ見てみて欲しいでぷ♡
新人看護師さんも必見!作業効率アップの便利アイテム4選
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看護師のナース服に求められる条件は?モチベーションとの関連性についても解説
3.入職当日のポイントや注意点
ここからは実際に入職当日に意識したいことや職場の方たちとより良い関係性を築いていくために重要な印象作りのポイントも併せて紹介します。
ここのポイントや注意点は、入職当日だけでなく、その後も継続して意識すると好印象を保つことができるでぷ!必見だぷ★
3-1.服装・髪型
看護師は他の職業よりも清潔感が求められます。男性なら襟や耳にかからない程度の長さで、整髪料は無香料のものを使用する、女性なら長い髪は結び、前髪が顔にかからないようにする、おじぎをする際に髪の毛が落ちてこないようにピンで留めておくなどの配慮が必要です。
職場では着替えるとはいっても、仕事にふさわしくない派手な服装や、デニムにTシャツのようなカジュアルすぎる服装での通勤は控えましょう。
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3-2.入職当日の注意点
入職当日にはオリエンテーションがあります。出勤初日という大事な日に遅刻してしまうと、時間を守れない人という印象が残ってしまいます。始業の15分前には到着できるように早めに家を出るようにしましょう。事故などで電車や地下鉄が遅れてしまうこともあります。もしものときの別ルートもあらかじめ頭に入れておくとよいでしょう。
入職当日は自己紹介をすることになります。自己紹介は、初対面の人や大勢に前ですることが多いので緊張しやすく、準備をしないと上手にできないものです。名前と簡単な意気込みをハキハキと話す練習をしておくことをおすすめします。
出身地や以前勤めていた病院や通っていた大学や看護学校の話、簡単な目標なども自己紹介で伝えると印象に残りやすく、後でその話題で話しかけられたりするかもでぷ!
3-3.菓子折りは不要
ご挨拶のしるしとして菓子折りなどを持参する必要はありません。特に県外などの遠方から引っ越して入職する場合は、「地元のお土産を持っていこう」と思うかもしれませんが、かえって職場の先輩だけでなく、同期入職の人にも気を遣わせてしまうことになるので、持参しない方がよいでしょう。
3-4.昼食は同僚と食べることも想定して
入職当日や入職直後は、交流もかねて先輩や同僚からランチに誘われることが多いでしょう。お弁当を持参すると、せっかくの誘いを断る必要が出てきてしまう場合もあるので、昼食を持参するのなら退勤後でも食べられるようなものにしておくとよいでしょう。
4.引っ越しを伴う場合は早めの準備を
入職にあたって引越しをする場合、時期にもよりますが荷造りや引っ越し業者選び、新居探しなどを含めると、少なくとも3か月前あたりから準備しておく必要があります。
4-1.まずは寮や指定のアパートがないかをチェック
病院によっては職員用の寮があることがあります。寮に必ず住まなくてはならないわけではありませんが、一般的な家賃相場よりもかなり安く設定されているので、活用することを検討してみてください。また、一般的な賃貸物件を会社で借り、社員に貸し出す「借り上げ社宅」などもあります。借り上げ社宅の場合も賃貸料全額負担ではなく、一定額を支払えばよいため、自身で借りるより安く住むことができます。
4-2.面接段階である程度住む場所の目星をつけておく
最終面接あたりまで選考が進んだ段階で、入職を想定して住む場所の目星をつけておくことをおすすめします。通勤に便利な場所や、休みの日を過ごすのに便利な場所など、住むことを想定した場合のエリアや最寄り駅を考えておくと、内定後の住まい探しがスムーズにできます。
4-3.引っ越し繁忙期は予約ができないことも
多くの方が新生活を4月に迎えます。4月からの生活をスムーズにスタートできるように2・3月は引越しの繁忙期となります。繁忙期は予約が取りづらいだけでなく、料金も閑散期と比べると何倍も高くなることが珍しくありません。内定が決まった段階で早く住まい探しを行い、引っ越しの日程までなるべく早く確定させておくことが重要です。高くなりやすい引っ越し料金については、複数の会社から見積りをとって交渉すれば、比較的安価に抑えられます。
4-4.引っ越しに伴って必要になる手続きを忘れずに
引越しをして住所が変わると、さまざまなものに対して住所変更の手続きが必要になります。
電気・ガス・水道・インターネットの解約と契約をはじめ、転出届や転入届、運転免許証やパスポートなどに記載されている住所の変更なども必要です。
5.まとめ
今回の記事では看護師の入職準備について、内定から入職日までの流れや必要な行動を紹介しました。準備をするには時間がかかるものもあり、内定から入職まである程度の期間があっても、急いですすめなくては間に合わなくなってしまう恐れがあります。準備が整えば、落ち着いたフレッシュな気持ちで入職できます。今回の記事が、入職準備をスムーズにすすめる際のお役に立てば幸いです。
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